第610話対悪食戦線49
「あ?負けを悟って頭がおかしくなったか?」
俺は言った。
「いや白天よ。儂の頭はおかしくはないし、お前の言っている事も間違ってはいない。だがな?コレト、コレア」
コレートルはフォースアイだとかいう2人を呼ぶ。
「それぞれコレルとコレンの戦いを終わらせて神格エネルギーをかき集めてこい。白天に通用する神格エネルギーを集めたら戻れ」
「「はっ、ファザーのお心のままにっ!!」」
「白天よ。ここから先は賭けだ。儂がお前に殺されるのが早いか、お前の配下達が全滅して子供達が戻るのが早いかのな?」
コレトとコレアはそれぞれ、リーゼ達とリムリット達の戦いに加わろうとするが…
「あ?いかせるわけねーだろ。概念融合、消滅」
「概念融合、存在」
コレトとコレアに向けて放たれた俺の概念はコレートルの概念によりかき消される。
「邪魔はさせん。お前の相手は儂だ」
コレートルは言った。
は?
賭け?
ここに来て?
冗談じゃねーよ。
勝ち確って踏んでこれだけの数引き連れてきたんだけど…
リーゼ達を回収するか?
いや、コレートルを相手にしながらはさすがにそんな余裕はない。
仮に成功したとしても、たぶんコイツらの性格ならフォースアイ同士で俺に通用する神格エネルギーになるまで共食いをはじめる。
つまりやるしかねーって事か…
くそがっ…
俺は心の中で毒づいた。
「上等じゃねーかっ!!賭けだ?誰と殺りあってるのか教えてやらあーっ!!」
「くくっ、素晴らしい殺気だ。これぞ理不尽なイナゴ…」
コレートルも迎撃態勢をとる。
その時だ。
あ?転移の気配?
冗談じゃねーよ?
これ以上敵増えたらマジで手一杯だぞ?
数は3…
神格エネルギーは…
うちの上位勢クラスが2と…
もう一体は…
は?
コレートルと同格?
嘘だろ!?
「なっ何事だっ!?」
その言葉はコレートルの口から出たものだ。
ん?コレートルの仲間じゃない?
どうゆう事だ?
第三勢力?
他のアラウザルゴッド関係か?
いや、それはそれで最悪だが…
俺がそんな事を考えていた時だ。
「ふふふっ、長らくお待たせしました。素敵なヒーローの登場ですよ。おや?ラグア様?アホ面浮かべてどうかしましたか?」
懐かしい声…
バカが…
おせーんだよ。
千年も何してやがったんだよ…
「黙れアホがっ!!俺すぐ帰ってこいって言ったよな?てめえの脳みそは空っぽかっ!?いや空っぽだったなっ!?いいからさっさとそのゴミ共を始末しろっ!!」
「全く…感動の再会なのに人使いが荒いですね。わかりました。感動の再会はその方々を片付けた後ですね?テオレーム、アナシスタ。退がっていなさい。私1人で十分です」
千年前とは比べものにならない圧倒的な神格エネルギーを漲らせたエリローズは言ったのだった。




