第607話対悪食戦線46
「ふうん…ビリビリくるね?神格エネルギーはリーゼより遥か格上か。でもその程度でリーゼの未来予知を…え?」
そこでリーゼの言葉は止まる。
何故ならコレルから伸びた触手の一本がリーゼを真っ二つにしたからだ。
「甘い…未来予知があろうと反応できなきゃそれまで…」
コレルは既に興味を失ったとばかりに、ラグア達のいる方に向かおうとするが…
「…天刃、絶対切断」
その言葉と共にリーゼを引き裂いたコレルの触手は切り飛ばされる。
「一回リーゼを殺したぐらいで何を勝った気になってるのかなー?勝負はこれからだよ?」
ラグアの黄泉の神の重ねがけで復活したリーゼは言ったのだった。
〜
リーゼとコレルが戦いをはじめた頃…
「なあ、姉ちゃんエリス。さすがにリーゼ1人じゃアレは無理じゃねーか?2人で援軍に入ってくれ」
俺は言った。
「確かに3人がかりなら拮抗はするでしょうけど、そんな事したら鋭治の守りが…」
「ラグア様。ラグア様の護衛を無しにするわけには…」
「いい。行ってくれ。さすがにこれだけの戦力を投入してるならコレートルの手駒は相当限らてくるはずだ。残りのフォースアイとかいうのと、コレートルぐらい俺がまとめてぶち殺してやるよ」
俺はそう言って姉ちゃんとエリスにリーゼの援軍に向かわせた。
案の定、リーゼの方も拮抗しだした。
ならあとは…
「発動、森羅万象」
俺は丁度戦闘が終わったライナーを含めた、上位勢以外のメンバーを森羅万象に放り込む。
ここで出てくるのはもうわかっている。
むしろここで出ないなら、俺の勝ちは確定だからそれはそれでいい。
フォースアイとかいうヤツらを俺自身が入って各個撃破するだけだ。
俺がそう考えたその時だ。
空間が避けて、中から3つのの球体が現れる。
赤い球体…
浅黒い球体…
そして他の球体より一回り大きい漆黒の球体…
「会うのははじめてだな。コレートル。まさかそんな姿とは思わなかったぞ?」
俺は他の球体より一回り大きい漆黒の球体に向かって言った。
「白天、貴様…ファザーに対し口の利き方を…」
赤い球体の単眼が開き、俺に対して口を開くがその言葉が最後まで続く事はなかった。
「よい。コレア。儂が話そう」
その声は漆黒の球体から放たれた。
その直後、漆黒の球体に横一文字の線がはいり、ゆっくりその目が開かれる。
瞳は黒…白目の部分はところどころに気持ち悪い血管が走っているのを除けば普通に白だ。
これまでの気持ち悪い目玉からすればだいぶマシな見た目だな。
コレアとか呼ばれた赤いヤツは白目と黒目の色が逆だしな…
俺はそんな事を思った。
「よくぞきた。白天よ。儂はコレートル。数多の神々は儂を悪食のコレートルと呼ぶ。強者は永遠に頂点に君臨し弱者はその糧となる為に存在する。その真理を追い求めるうちに儂はそう呼ばれる様になっていた。白天よ。問おう。お前は…」
「ゴタゴタうるせーよっ!!ジジイの話は長げーんだよっ!!生きた化石がっ!!死ねやっ!!」
コレートルの話をぶったぎり、俺の触手がコレートル達に襲いかかる。
こうして俺とコレートルのアラウザルゴッド同士の最終決戦ははじまった。




