第603話対悪食戦線42
〜約200年前〜
〜惑星国家イグロシアル、総統執務室〜
上級武神…それもオリジンゴッド寸前まで至ったライナーは概念について考えていた。
一度は魔神に進化したライナーだったが、ゴッズウェポン神喰の剣を使いはじめてからは、気づけばステータスの表記が武神に変わっていた。
とにかくこれからはオリジンゴッドも視野に入れなくてはならない。
自分はどのような概念をとるべきだろうか…
どのような概念がラグア様のお役に立つだろうか…
やはり自分の力を生かす概念…
強化系か直接攻撃系だな。
うん、そうしよう。
ライナーがそんな事を思っていた時だ。
部屋にノックの音が響く。
「入っていいぞ」
ライナーそう言って入室を促した。
「失礼します。ライナー様。今月の襲撃した宇宙の報告と奪った神格エネルギーの概算…さらには獲得した神級武器とゴッズウェポンの一覧と、さらにそこから割り出される…」
「セリーわるい。前にも言ったがそうゆう事は俺に言ってもバカだからわかんねーよ」
セリーの話に頭がいたくなったライナーはそう答えた。
「いえ、ライナー様のお耳にいれたという事実が重要なので…。こういった事は…失礼ですがライナー様の得意分野ではないのは十分熟知しております」
「さすがセリーだ。長い付き合いなだけあるな。いつも悪いな」
ライナーのその言葉は紛れもない本心だった。
惑星国家イグロシアル、最高幹部にして総統であるライナーは戦闘以外はからきしダメなのだ。
だからこそ、先代のエリスがこなしてきた仕事もセリーやウミル…(プロトクローン出身の幹部で現在ライナーの秘書)達がいなければライナーはまともに仕事はできなかった。
だからこその心からの感謝である。
「いえライナー様。それが私の責務なので。約800年前のあの日…ライナー様に敗れた日から私はライナー様をサポートすると誓いましたので…」
「そうかありがとな。セリー」
「いえ、もったいなきお言葉です」
〜
「では失礼し…」
セリーはライナーとそんなやりとりをした後に部屋から出て行こうとするが、それに待ったをかけたのはライナーだ。
「あ、ちょっと待てよセリー。俺もうすぐオリジンゴッドになりそうなんだけどどうゆう概念を望むのか考えてんだよ。お前の意見を聞きたいんだが…」
「いえ、私ごときがライナー様の概念に口を出すのはおこがま…」
「まあ、直接攻撃系か強化系ってのは確定なんだけど問題はどーゆー…」
セリーの言葉を遮って口から出たライナーの言葉にセリーは硬直する。
そして…
「ライナーっ!!アホか貴様っ!?何百年たってもやはり貴様はアホのままなのかっ!?それを本気で言ってるなら一度頭を取り替えてこいっ!!」
ライナーは数百年ぶりにセリーに怒鳴られるのだった。




