表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
637/1167

第581話対悪食戦線20


響く轟音…

それはシャドウリーゼとシャドウリオーナの2人の最高戦力の中でも化け物級の力を持つ、上位勢同士の激突によるものだ。


目の前で化け物共の戦いが繰り広げられている。

どちらが優勢かはわからない。

とても目で追える速さではないからだ。

シャドウシュドレはそんな事を考える。




〜約千年前〜


シャドウシュドレのいた宇宙のラグアは既に最高神との決戦に敗れて討たれていた。

優しく…そして偉大だった父の仇…魔王ラグア・エルライド…

そんな存在が最高神により討たれた時、自分は仇が死んだ達成感も仇を他にとられた怒りも何も感じなかった。

あったのは言いあらわせない、どうしようもない虚無感だけである。


何故だ?

シャドウシュドレはずっと考えていた。

そんな時だ。

オリジナルを名乗るラグアが自分達をこの宇宙に連れ去ったのは…


気づいた。

いや、気づけた。

それは誰でもない父の仇…ラグアのおかげである。

オリジナルラグアに出会った瞬間、自分は数十年ぶりの怒りを覚えた。

そうか。

父を殺されたからとか以前に、自分はこのイカレた殺人鬼が本当に許せないんだ。

人を人とも思わない…今回だってどう使うつもりなのかは知らないが、シャドウを…これは自分もそうだが、自分達を道具程度にしか見てない事は明らかである。

全宇宙からラグアの存在を一掃する。

それはシャドウシュドレに目的ができた瞬間だった。

目的ができたその瞬間、シャドウシュドレは数十年失っていた感情を取り戻した。



〜それから約千年〜


復讐のチャンスは一向にこない。

共に復讐を誓ったバルダとキャリーは拉致されてから一度もあっていない。

おそらく遠い別の宇宙で既に死んでいるだろう。

だが、自分の目的は変わない。

その日のシャドウシュドレもいつもの様に強く心に誓った。


余談だが、オリジナルシュドレの親友バルダ…そして幼なじみのキャリーは、星王ウリン・ドーラス・イグロシアルの開発した人工スキル不老により、惑星国家イグロシアルの幹部として現在も健在である。


現在のシャドウシュドレの元にバルダやキャリーが存在しないのは、オリジナルラグアが原因である。

オリジナルラグアは絶大な力と恐怖で支配した自らを含めた、ほんの一部の上層部による、絶対の独裁政治をひく一方、従う者…特に自らが仲間と呼んでいる、特別幹部以上の一部の者に対しては勧んで飴を投げた。

力による絶対的な支配と、甘い誘惑のによるオリジナルラグアのいつものやり口だが、シャドウラグアがそれをしなかった…いやできなかった理由は簡単である。


オリジナルラグアはそんな余計なものをシャドウには用意しなかった…いや、保護しなかったからだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ