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第579話対悪食戦線18


「!?っ」


シャドウシオンは背後の声に反応して慌てて振り返る。

この時点で声の主は自分より上位の存在なのはわかっていた。

そして振り向くまでの僅かな時で声の主を判断した。


あの声の主は確かシャドウリオーナ…


「正解よ。ならなんであたしがここにきたのかわかるかしら?」


完全に振り向ききったシャドウシオンにシャドウリオーナはそう言った。


読心か。

さすがは上位勢か…

シャドウシオンはそんな事を考えながら言う。


「いえリオーナ様。どういったご用件でしょうか?」


シャドウリオーナはそんなシャドウシオンに笑いながら答える。


「ふふっ、それをあたしの口から言わせるの?考えればわかるでしょ?命令無視して単独行動してるあなたをあたしがどうするのかなんて?」


「それは…」


「あなたの選択自体は正しいわ。でもやるタイミングを間違えたわね?裏切るならもう少しあとにすべきだったわね」


完全に読まれている…

自分がオリジナルラグアにつこうとしている事も全て…


シャドウシオンは反論を口にしようとするが、その前にシャドウリオーナが口を開く。


「それとね?これは完全に個人的な理由だけど。あたしキャラ被りって許せないのよね?あ、わからない?まあ、わからなきゃわからないでいいわよ?」


何を言って…

シャドウシオンはそう考えたが、その思考はそこで強制停止する。

気づく事も反応する事もできなかった。

シャドウシオンの意識はそこで永遠の闇の中に落ちるのだった。




「やっぱり下位勢を殺したぐらいじゃ大して神格エネルギーは上がらないわね。じゃあ、まあ次いきますか。うまくいけばリーゼちゃんに会えるかしら?」


シャドウリオーナはそう言って次の目標に向かって転移するのだった。




シャドウリーゼはその時シャドウシュドレと向かいあっていた。


「はい二匹目、みっけ?」


シャドウシュドレはそんなシャドウリーゼに対して、特に驚いた様子もなく言う。


「きたか。お前はラグアの娘でリーゼだったな?」


「ふふっ、もうシャドウラグアの事もリーゼの事も敬称もつけないか。いっそ清々しい裏切りだね?リーゼはそうゆうの嫌いじゃないよ。心の広いリーゼはそんなお前を一思いに殺してあげるね?」


言いながらシャドウリーゼは千手観音モードを展開する。


これにはシャドウシュドレは少しだけ目を見開いた。

今までシャドウリーゼがシャドウラグアの事をシャドウラグアなどと呼んだ事はなかった。

これはつまりコイツも…


シャドウシュドレがそんな事を考えいたその時だ。


「あら?リーゼちゃんも人の事言えないわよね?」


この場に不釣り合いな楽しそうな調子でその声は響くのだった。

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