第568話対悪食戦線7
ライナーにソリア達の配下の神々が殺到する。
その数は100を超えている上に、上級神以上の存在…聖神、魔神、武神といったものまで、ちらほら混ざっている。
だが…
〜
「なるほど。彼らでは相手にすらなりませんか。さすがは白天様の配下を名乗るだけの事はありますね」
ソリアは言った。
ライナーに襲いかかったソリア達の配下の神々は次の瞬間にはライナーの剣によりバラバラになっている。
しかもバラバラになった神々はそのまま消えてしまった。
この千年で急成長を成し遂げ、イグロシアル最高戦力の1人と数えられるライナーだが、現在のライナーは概念どころかスキルの一つすらまともに使っていない。
この結果はライナーの純粋なステータスによるものだ。
もっとも当然ながらライナーの使っている剣もまた普通の剣ではない。
ゴッズウェポン、神喰の剣…
切った相手の神格エネルギーを吸収する。
オリジンゴッドとは違い、下位の神からも神格エネルギーを奪うことができる。
剣内部に溜まった神格エネルギーを一時的に…最大で10秒間、所持者の神格エネルギーに変換することを可能とする。
一度神格エネルギーの変換を使用すると再使用には使用した時間の倍の時間のインターバルを必要とする。
これはラグアがこの千年の間に潰した宇宙の戦利品の一つで、先日ルルに与えられた神氷の杖のように神喰の剣はライナーに渡されていた。
余談だがラグアはこの千年で手に入れたゴッズウェポンや神級装備の数々を全員というわけではないが、最高戦力と呼ばれる者達にはなるべく渡すようにしていた。
理由はもちろん、きたるべきアラウザルゴッドとの戦いに備えて…
つまり現在である。
そして、数あるゴッズウェポンや神級装備の中からラグアが自分用に選んだもの…
まあそれはまたの機会に説明しよう。
「仕方ないですね。ジルコス、出番ですよ。コレートル様を敵に回した事を後悔させてあげなさい」
「はっ、ソリア様。すぐにその剣の男の首をご覧に入れましょう」
ジルコスと呼ばれた甲冑の男はそう言って腰に下げた剣を引き抜く。
真っ黒な刀身が怪しく光る…
「大した武器だな?だがゴッズウェポンが貴様だけのものだと思わない事だな?」
ライナーはジルコスの言葉には答えず、ジルコスの剣とは対称的な白い刀身の神喰の剣を構える。
こうしてライナーとジルコスによる、互いにゴッズウェポンを使用した戦いがはじまろうとしていた。




