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第567話対悪食戦線6


「貴様っ!!ここを…」


「黙りなさい!!」


全身を武装した甲冑姿のオリジンゴッドに、魔族に近い見た目をした女のオリジンゴッドはピシャリと言い放った。

どうやら立場は魔族に近い見た目のオリジンゴッドの方が上の様だ。


魔族に近い見た目の女は言う。


「失礼しました。はじめまして、私はソリアと言います。偉大なるアラウザルゴッド、コレートル様の配下にして、コレートル様の側近として抜擢された先代に代わり、この宇宙の全権を任されております。ようは支配者代行とでも言えばわかりやすいかと?」


ソリアはそう名乗ったあとに更に続ける。


「惑星国家イグロシアルと言いましたか?それがあなた方の所属と?先程はウチのバカが大変失礼いたしました。恥ずかしながら私も最初は、どこかの身の程知らずのユニオンが攻撃を仕掛けてきたかと思いました。白天様の配下だと言うなら話は変わってきますね。一つだけお聞きしましょう。それは八面様のご意志ですか?それとも白天様の独断でしょうか?」


「それは…」


ライナーが答えようとした時だ。

ライナーの言葉を遮ってキャリーメルが口を挟む。


「ソリアと言ったな?私はキャリーメル…白神柱の2…キャリーメルだ。これが答えだ」


キャリーメルはこれがラピロアの差し金であると匂わせたかった。

だとしたら正面から今回の件にラピロアが関与していると言ってしまえばよいのだが、それはキャリーメルにはできなかった。

それはキャリーメルのラピロアに対する高い忠誠心と、ラピロアに対する絶対的な恐怖が邪魔をした。

ラピロアは常にあのような調子だが、その実、自らが特別な存在だと言っているアラウザルゴッド以外には決して甘くない。

おそらくその様な事がラピロアの耳に入れば、ラピロアはラグアに、キャリーメルと同程度の強さの代わりのオリジンゴッドを送りつけて、キャリーメルを始末するだろう。

例えラピロア自身が気にしなかったとしても、ラピロア配下の九神将は、そんな主の名を語る裏切り者をのさばらせておくわけがない。


そして同じ理由で所属を偽って自らの古巣である元神柱と名乗る事もできなかった。


だが、そんな保身に走ったキャリーメルをソリアが見逃すはずなどなかった。


「わかりやすい説明ありがとうございました。なるほど。白天様の独断ということですか。よくわかりました。なら…」


ソリアはそこで一度言葉を切ってから言う。


「徹底抗戦っ!!それが私の結論ですよっ!!」


ソリアの合図で待機していたソリア達の配下の神々は一斉にライナーに殺到するのだった。

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