第563話対悪食戦線2
「なんでー!?やだー!!2人共ひどいよっ!!あたしも戦うよっ!!」
そう言ったのはもちろん惑星国家イグロシアル最高戦力の1人…星王ミグ・ヒピー・イグロシアルである。
その様子をみたリオーナとリーゼはアイコンタクトをする。
2人の動きは一瞬の間があったが、ミグと比較的仲のいいリーゼが溜息を吐く事によって終結した。
リーゼは言う。
「ミグ。本気で言ってるの?これがリーゼ達じゃなくてパパでも絶対に同じ事を言うよ?」
「リーゼちゃんどうゆう事かな?そんなにあたしの力が信用できない?リーゼちゃんがそこまで言うならこの際だからあたしも言うよ。あたしは師匠以外に負けるつもりはないよっ!!」
ピリッ…
その瞬間、空気が変わる。
ここに集まっているのは惑星国家イグロシアルの最高戦力である。
そんな存在達を前にミグは負ける気はないと言ってのけたのだ。
事実上のNo.2宣言である。
一触即発しそうな空気の中リーゼは笑みを浮かべる。
「ふふふっ、個人的にはここでミグと白黒つけるのもありだけど、今は作戦中だからそうも言ってられないんだよね。まああんたがパパの最高戦力の1人だって事は紛れようもない事実だよ。そこだけはリーゼだけじゃなく、ここにいるみんなが保証するよ」
リーゼの次の言葉しだいでは直接ミグに何か言うつもりだった面々は押し黙る。
そう今は作戦中なのだ。
リーゼは続ける。
「さて、ここからが本題。ミグ。いや…星王ミグ・ヒピー・イグロシアル。あんたにはこの作戦において重要な役割がある。それはなにかな?」
リーゼのその質問にミグの瞳は一転…
獰猛な絶対強者のものになる。
「キャハハハハっ、そんなの決まってるよ。師匠に逆らうものを叩き潰して…なんだっけ?師匠の玉歩を…ごめん忘れた。前にリーゼちゃんが言ってた事だよ。簡単に言うと師匠の敵はあたしが倒す。それだけだよ」
「…うん。玉歩を歩むパパの障害を排除し、道を切り開く。ミグはいろいろわかってないけど、一番間違ってるところはそれはリーゼ達の役目ってところだね」
キョトン…
ミグのその表情はミグを知らない者から見れば可愛らしい少女のそれに映っただろう。
実際は狂った仲間意識のみを信じるとち狂った、全宇宙有数の実力をもつ起源神の1人なのだが…
「ミグ。あんたの役目は生き残れる事。何故か?そんな事は絶対にありえないけど万が一…いや兆が一パパが負ける事はなくても動けない状況になった時、パパの他に黄泉の神を使えるのは、あんただけだからだよ」
リーゼは言った。
このやりとりの結果、ミグはリーゼによって説得される事になるのだった。




