第560話シャドウ4
その後、俺は過去に戻り、まだオリジンゴッドに至る前の…具体的には下級魔神クラスの俺を拉致…
さらにはその勢いで神格化直後のミグを殺害するが、黄泉の神を入手できず、威力を必要最低限に抑えた神格ビッグバンで全てを吹き飛ばす事により黄泉の神入手。
さらには他の時間軸から足りない分の影武者をかき集めた。
〜そして現在〜
「シャドウはすぐにでも使える。下の方のイナゴにはサシなら勝てるはずだ。だが問題は…」
俺がそこまで言いかけたのを聞くとリーゼは補足する。
「うん。問題は大きくわけて2つかな?最初の問題はどのイナゴを潰すか。リーゼの目算だとミグで9割コレートルで7割…ここまでがまともな勝率かな?次がガクッと下がってエルミナで3割…そしてそれ以上となると今はまだ厳しいね…オルメテウスの情報は少ないけど、おそらく勝率は1割以下だね。まあ、これはシャドウを使わないでの勝率だけどね?」
「まあ妥当な見解だろうな」
俺はリーゼにそう答えた。
たぶんミグにはまだ勝てる。
アラウザルゴッドになったとはいえ、素の神格エネルギーにかなりの差がある。
9割ってのも相当譲歩した結果だろう。
「さて、ここからが問題だけどミグ単体なら大した脅威にはならないけど、ミグに仕掛ければ確実にアゼルメーテは出てくる。そしてリーゼ達はまだアゼルメーテには対処できない…」
「ああ、そうだな。俺が誰かから仕掛けられたなら別だが、俺が個人的にミグに仕掛けてラピロアやエルミナが動いてくれるかは正直微妙…ってか薄いだろうしな?」
「うん。だからミグには仕掛けられない。リーゼ達が狙うのはコレートル。ここは決定だよね?」
シャドウ…
千年かけて用意した俺達の影武者は使い方によっては大きく勝率を上げる。
それこそ現状3割しかないエルミナ戦の勝率を6割にまで引き上げる程に…
だが、エルミナに仕掛けたらたぶんラピロアが出てくる。
化け物揃いのイナゴ共の中でもあれだけは完全に別格だ。
俺の神格エネルギーが上がった今だからこそわかる。
力を極限まで抑えた本体だという、ヤツの第三形態で神格エネルギーが5倍も違うのはもはや化け物を超越した化け物と言う他はない。
「ああ。俺達が次に殺るのは理不尽なイナゴ…悪食のコレートルで決まりだ」
俺はリーゼに向かってそう言い放った。




