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第555話ルル・オルガット・イグロシアル生誕祭5


「りっリーゼお姉様!?」


ミリーは驚き声をあげたが、同時に真っ白になった思考が回復する。

どうゆうつもりでお姉様が助け船を出してくれたのかはわからないが、もはや乗っかる以外に助かる道は残されていない。


ミリーは言う。


「はっはい…その通りでございますっ…さすがはリーゼお姉様です。お姉様にはやはり筒抜けでございますね?」


「ふふふっ、ミリー。もういいよ。そもそも今回のこの余興はリーゼとミリーの2人で考えたんじゃん?」


リーゼは言った。

ちなみに断じてそんな事はない。


「そっそうでございましたっ!!私とした事が…」


そう言ってミリーも必死にリーゼに合わせる。


パンっ


そこでリーゼは手を一回叩く。

会場の注目はリーゼに一気に集まる。


「ご来場のみんなー?今日はママの丁度800万歳の生誕祭に集まってくれてありがとー。ではこれよりリーゼとそして今回のホストである、ミリーで考えた余興を楽しんでね?今からリーゼ達、惑星国家イグロシアルが誇る力のほんの一端をお見せするよ?ギース、マリア。反乱軍…まあ、ぶっちゃけサクラなんだけど…殺さずにみんな無力化してきてー」


「「はっ」」


リーゼの言葉でギースとマリアは会場から出て行く。

そしてたっぷり30分程、見せ場を演出しながら次々と制圧していく。


会場は大歓声に包まれる。


リーゼのいつものやり口だ。

先読みした他者の感情を利用しながら、立場と最近では一段と強くなったカリスマ性で場を完全に支配する。

ちなみに既にリーゼも今では、並のオリジンゴッドでは相手にすらならないウチの最高戦力の1人だ。

この千年…具体的にはウルドナートを宙帝に担ぎあげ、俺を神星帝に担ぎ上げた一件以来、俺に実害はないから黙認しているのだが…


リーゼのいつものやり口の結果、ミリーがリーゼを見る目がエリスが俺を見る目に変わっているのはこの際おいておこう。

リーゼはけっこうなめちゃくちゃはするが、それをひっくり返すレベルのアイツの功績は計り知れない。

だからこそ、俺はアイツのわがままは多少は目を瞑る。

アイツもわかってるのか、俺が次はないと言ったのを忘れてはいないみたいだしな?


「ではこれより最後にお父様…神星帝ラグア・エルライド・イグロシアル様より、お母様…神星帝皇后ルル・オルガット・イグロシアル様の800万歳の生誕祭を祝して贈与品が渡されます」


司会の女…

透き通る様な青い髪に真っ赤な瞳…

第六星帝ラルファ・オルガット・イグロシアルは言った。

何故司会がこのラルファなのか…

それはラルファより番号の若い星帝達は、実力はあるがクセが強すぎて司会など任せられないからだ。


ラルファの言葉が終わるのを待ってから俺はゆっくり立ち上がるのだった。

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