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第554話ルル・オルガット・イグロシアル生誕祭4


生誕祭は滞りなく過ぎた…そう途中までは…


バタンっ


突如会場の扉が勢いよく開かれる。

参列者達は皆振り返り、ミリーに至っては信じられないものを見たかの様に驚愕している。

ミリーの表情が一瞬怒りに染まるが、すぐに他の参列者を思い出したのか、表情を取り繕う。


「おや?どうされました?」


ミリーは笑顔でいきなりドアを開けた男に問いかけた。

内心は今すぐにでも男の首を跳ね飛ばしたいのか、こぶしがワナワナと震えている。

だが、男の次の言葉でミリーはついに表情を取り繕う事ができなくなった。


「ミリー様っ!!緊急事態ですっ!!クーデターですっ!!既に首都の入り口は反乱軍と交戦中ですっ!!こちらのほとんどの戦力は、この城の守りに就かせていますので、抜かれるのは時間の問題ですっ!!」


ミリーは男の言葉に空いた口が塞がらなかった。

クーデターだとっ!?

この最悪のタイミングでっ!?

なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで…

ミリーは頭が真っ白になって思考がまるで追いつかなかった。


今回のルルの生誕祭…

それを決行する為に、ミリーは相当無理をした。

具体的には、星王ウリン・ドーラス・イグロシアル配下の技術者達を大量に派遣し、無理矢理準備を間に合わせた。

当然、その費用…具体的には金、物資、奴隷を無理矢理誘拐するなどしてウリンに払った対価の負担は全て国民にのしかかる。


このクーデターは何も政権をひっくり返す事が目的ではない。


死ぬ時はお前も道連れだ!!


今回のクーデターはそれを如実に伝えていた。

だからこそのこのタイミングなのだ。


「ちっ父上…母上…これは…その…違うのです…その…その…」


ミリーは半泣きになりながら俺とルルにそんな言葉にならない、説明になっていない説明を繰り返す。


その時だ。


パチパチパチパチパチパチっ


会場に拍手がなり響く。

まあこのタイミングでこうゆう事をするのはアイツしかいないか…

そしてアイツは善意でこんな事をするヤツじゃない。

つまり俺にはわからない利用価値をミリーに見出したって事か。

俺は拍手の方向を振り返る。


「ミリー。面白い余興だねー。ここまでやるとはさすがだねー?そうだよね?ミリー?」


リーゼは顔は笑顔で…だが目だけは笑っていない目でそう言ったのだった。

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