第549話リーゼの計画…
リーゼと話したあと俺はリーゼの計画を姉ちゃんに話した。
「うーん、感情的にはなしだけど合理性だけを見れば完璧な計画ね。どうするの?あたしが決めていいの?」
姉ちゃんは言った。
「今回に関しては俺はなんも言えねーよ。立場的にな?姉ちゃんがやるならやる。それだけだ」
俺は答えた。
「うーん………」
姉ちゃんはしばらく迷った末に口を開く。
「………やるわ」
「そうか。正直姉ちゃんが協力するかは五分五分だと思ってたわ」
俺は姉ちゃんにそう答えた。
そんな俺に姉ちゃんは自重気味に笑う。
「ふふふっ、リーゼと言ったわね?鋭治の娘のあの子…さすがだわ。化かし合いの場数はまだまだだけど頭もいいし、あたし達と違って前世の記憶がない分、冷酷さはあたし達以上ね?くだらない感情なんかより合理性だけを追求する。あの子らしいわ」
「ほう?姉ちゃんがそんなに褒めるなんて珍しいな?ちなみに奇遇だが俺もリーゼの計画を聞いた時…″お前、俺以上の外道だな?″…って言ったからな?」
「へえ。鋭治もか。なら…今回はあたし達の負けって事であの子の策にのってあげる事にしようかしら?」
「まあ、俺の場合は立場上思いつかなかったってのが正しいがな?俺発案なら普通にやってたよ。リーゼの口から出たからわざわざ姉ちゃんに話を持っていった訳だしな?」
俺と姉ちゃんはそんなやりとりをするのだった。
〜〜〜
〜古代アルムス戦終戦後のウルドナートの宇宙、とある惑星〜
そこは怒声と悲鳴…言うなれば阿鼻叫喚の地獄であった。
それがたった3人の…宇宙からの侵略者によって引き起こされていた。
「なんだこいつらっ!?キングダムギフトどころかこの星に2人しかいないエンペラーギフトもまるで効いてねーぞっ!?」
「コイツら3人共化け物だろっ!!こんなのと戦ってられるかっ!!」
「いやだー死にたくねーよっ!!」
「畜生っ!!コイツらの目的はなんなんだよっいきなりきやがってっ!!」
「ぐああああっ!!」
そこにはもはや戦意のあるものは皆無だった。
「アダム、イブ、もういいでしょう。交渉には私がでましょう」
「わかりました。一応私達のリーダーはあなたですしね?リムリット?」
「はい。全てはマスターのお心のままに」
イブとアダムはそれぞれリムリットに対して答え、ゆっくりリムリットが歩を進める。
「さあ、マスターの素晴らしさについてゆっくり語り合いましょうか?これからあなた方がお仕えする方がどれほど素晴らしき方なのか…時間の許す限り」
それはこの星の者達にとっては悪夢だった。
化け物3人にやられたと言うのに、その化け物達を支配する更なる化け物がいる事の証明だった。
こうして、リムリット達によるウルドナートの宇宙統一計画は着々と進んでいた。




