第544話古代アルムス侵略戦26
リーゼが帝級スキル、氷帝の絶対零度により人元、ロロ・ベアトリクスの正規軍を蹂躙している頃…
〜旧ラグア・ベルゼ・アルムス支城…現、人元ロロ・ベアトリクス居城、玉座の間〜
そこには玉座を前に4人の男女が跪いている。
玉座に座る金髪を長髪に伸ばした美男子は口を開く。
「さて、お前らをここに呼んだのは他でもない。これから俺はお前らに最後の命令をする」
「ロロ様、最後とは一体…?」
跪く4人のうちの1人…
人元ロロ・ベアトリクス配下…四天凶星、序列第1位…人魔メルフェウスは代表してロロにそう聞いた。
「メルフェウス、状況を見ろ。離れて待機させている分体からの情報だと敵はラグア様とエリローズ様を連れ去った連中の仲間らしい。分体が聞いた会話の内容からおそらく、ヤツらのリーダーのリーゼとか言うヤツは、こないだのフィアナとか言うヤツよりも上位に位置する存在だろう。上級神を手懐けてるところから見てもそれは明らかだ」
その言葉にメルフェウスを含めた四天凶星達は目を見開く。
上級神を…この世界の創造神以上の存在を手懐ける。
そんな事ができる者は敵の中でも相当上の役職を持っているのは明らかだ。
そして、同時に四天凶星達は悟った。
ロロがこれが最後の命令だというその意味を…
「「なりませぬっ!!」」
その言葉は誰が言ったか…
四天凶星達はほぼ同時にその言葉を口にした。
「そうは言っても仕方ないだろ?エリローズ様はともかく、ラグア様は自分の配下を決して見捨てなかった。俺はラグア様と違ってそこまでの器じゃねー。だがな?最低限家族は守るぞ?俺が時間を稼ぐ。その間にお前らはここから逃げろ。バラバラに逃げればもはやそれはもう、人元ロロ・ベアトリクスの勢力じゃない」
「しかし、それではロロ様が…」
そう言ったのは四天凶星、序列第2位のミゼルという女だった。
「ミゼルそう言うな。安心しろ。俺もただでやられるつもりはない。上級神が相手だろうと思いっきり暴れてやるからよっ!!」
人元ロロ・ベアトリクスは気合十分にそう言い放った。
「お前らに最後の命令を下す。俺が出撃すると同時に全員バラバラに…」
ロロが四天凶星に最後の命令を下そうとしたのと、ロロと四天凶星を含めた全員の頭の中に直接声が届くのは同時だった。
『甘い…甘いよ。滑稽だねー?どこに逃げるの?逃げ場なんかありはしない。そもそもこの星はパパの宇宙の中に…支配領域の一部なのにさ?』
まるで今までの自分達の会話を聞いてたかの様に、いや実際聞いていたのだろうが、そんな声がロロ達の頭に直接響くのだった。




