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第543話古代アルムス侵略戦25


「貴様ーっ!!死んで詫びろーっ!!


そんなリーゼの言葉に男の中では何かがキレた。

男はリーゼに向かって一直線に突っ込む。


「あー、それからお前らのリーダーのラグア・ベルゼ・アルムスもこの時代のエリローズも既にこの世には…」


「死ねーっ!!」


リーゼは更に追い討ちをかけるように挑発するが、男は既にあまり聞いていないようだ。


余談だがリーゼに迫る男は、四天凶星ではないとは言え王級クラスの幹部だった。

無防備な状況で直撃を受ければさすがのリーゼも無傷ではすまない。

もっとも当たればの話だが…


男はリーゼの約1メートル手前でピタリと静止するとそのまま動かなくなる。


「なっ!?なんでっ!?」


「残念だねー。お前じゃリーゼに触れる事さえできないみたいだねー?じゃー雑魚には退場願おうか?」


言いながらリーゼは背中から無数の触手を展開し、男を八つ裂きにする。


「ふふっ、ふふふっ、ふ…」


笑いながら男を八つ裂きにしたリーゼの笑い声が突然止まった。

理由は尋常じゃない熱さが体を駆け抜けたからだ。


進化?

腐っても王級クラスって事か。

まさかこんなに早く帝級になれるとは思わなかったよ。


進化の反動の激痛を歯を食いしばって耐えながら、リーゼはそんな事を思った。


もちろん周りの敵も、戦闘中に突如苦しみ出したリーゼを放っておくわけがない。

次々にリーゼを目指して襲いかかるが、全てリーゼに届く遥か手前でシオンに無力化される。


「はあっ、はあっ、帝級スキル、氷帝か。たぶんママのエンペラーギフト、氷の帝国のスキル版ってとこか。パパは王級スキルが一気にが進化したみたいだけど、リーゼは経験値が足りなかったのかな?」


リーゼは現在の状況を自分なりにそう考察した。

本来なら再生王は帝級スキル、不滅の帝に…

土精王は帝級スキル、土星帝になるはずだった。

それがならないと言うことはつまりそうゆう事なのだろう。

ならばやる事は一つだ。

足りない経験値を補充すればいい。


「発動、帝級スキル、氷帝、絶対零度」


リーゼがそう言った瞬間、意識して当てないように気をつけたギースとマリア以外の存在が決して解けない氷の彫像と化す。


ちなみにシオンに至ってはリーゼは構わず当てた。

神級クラスに帝級スキルなど効果を為さないのはわかり切っている。

事実シオンは何事もなかったように、リーゼの脇に立っている。


王級スキル、土精王が帝級スキル、土星帝に進化。

王級スキル、再生王が帝級スキル、不滅の帝に進化。


リーゼはそんな頭の中に流れるメッセージに満足そうに口角を吊り上げるのだった。

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