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閑話混沌の魔王会議


ミュラは思考を復活させるのに、数秒を要した。


「ロっロロ様、それは本当ですか?」


「本当だ。それで提案なんだが、お前とミグの2人、それからミュンも、今から俺の星に来ないか?」


上位3魔王はそれぞれ、自らの神級スキルで作り出した、小型の星に住んでいる。

ミュラは考える。

確かに、神魔大戦は怖い。

あんな地獄二度とごめんだ。

だが、13魔王を見捨て自分達だけ逃げるのは…


「そっそれは…」


ミュラの言葉にミグが割り込む。


「うーん、ロロ様のところには、行きたいけど、ジオっちの敵討ちしなきゃなんないんだよねー。」


「あーそれなんだがミグ、それはやめた方がいい。ラグア様の名前を語る魔王に負ければ、そいつに殺されるし、勝ったら勝ったで今度は、テオレームに殺される。俺達上位3魔王の力は拮抗していて、13魔王内序列は強さじゃない。3人とも魔王順位同列、1位だからな。俺達の序列は、ラグア様やエリローズ様に仕えた順番だ。そこに上下関係なんかない。約1000万年前、ある理由から、主人を同時に2人失った俺達は、バラバラになった。13魔王は、そんな俺達が、形だけでも和解しました、って言うハリボテだ。ミグ、1つ聞くが、お前は俺に勝てるか?勝てないならやめた方がいい。テオレームはエリローズ様を崇拝しているから、あの魔王に手を出したら必ず動く。俺はお前らの事を家族のように思っている。どうか、俺の提案受け入れてくれないか?」


「……わかったよ、ロロ様がそこまで言うなら、あたしはロロ様のところに行く。」


「私も行きます。よろしくお願いします。」


ミグとミュンは共に提案を受け入れた。

ミュラはまだ迷っていた。

この時、リリスがかろうじて声を出した。


「あああの、わたわた私達も、」


だが言い終わらないうちに、ロロが言う。


「あ?お前誰だよ?」


その言葉でリリスは固まってしまった。

ミュラは、こうなる事はわかっていた。

13魔王の中でも、ロロの姿を見た事のあるのは、リリスから上位の魔王だけ、会話をした事があるのは、第二世代の魔王に限る。

彼等が参加していた頃の13魔王会議は、下位魔王は発言権すらなかった。基本的に、発言権があるのが、上位3魔王と、第二世代の魔王、合わせて6人。

下位魔王は、それらが出した意見に反対か、賛成の意しか許されなかった。

それが変わったのは、ミュラが13魔王を仕切るようになってからだ。

もし、今13魔王の中に、ナメた発言や、居眠りぶっこくようなヤツがいれば即座に殺されるだろう。

事実、ロロに殺されたものはいないが、テオレームや、ソドムに殺された魔王は数多く存在する。

ミュラは選択を迫られた。

神魔大戦は、はっきり言って一生のトラウマだ。

一瞬前まで、言葉を交わしていたものが次の瞬間には、爆散している。

そんな地獄。

もう嫌だ。

冗談じゃない。


「わかりました。妹達が行くなら妾もお邪魔させていただきます。次の13魔王議長は、残ったもので決めてくれ。妾は今日で13魔王議長を降りる。」


「ここここの、こここ腰抜けが、ミュラっそれでも、まま魔王か?」


なんとか、硬直から復帰したリリスがミュラを罵るが、知るか。

あの地獄は、味わったものにしかわからない。

ミュラは言う。


「好きに言え。腰抜けで結構じゃ。コルドあとは任せた。妾はロロ様と共に行く。」


そう言い残し、ロロ、ミグ、ミュン、ミュラの4人は出て行った。

後に残された、7人の魔王達は、しばらく途方に暮れていたが、一応、ゴルド・シーマを13魔王議長代理にする事で落ち着き、この日の会議は終了した。


会議室は、主人の不在を嘆くかの様に静寂に包まれた。


次回から、本編に戻ります。

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