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第532話古代アルムス侵略戦14


「おいセリー、本気か?俺達仲間じゃねーのか?」


ライナーは言った。


「…どの口がっ!!先程の一撃…貴様も本気で私を倒しにきただろうがっ!!」


セリーはそんなライナーの言葉に逆上すると声を荒げた。


「何言ってんだよ?セリーが俺にそんな事するわけないだろう?さっきのアレも相当加減してただろう?」


ライナーは心底疑問そうにそう言った。


ギリッ…

それはセリーから出た歯軋りの音だった。


ふざけるなっ

なめやがって…

所詮貴様にとって私達など本気で戦うにすら値しないと…

そう言いたいのか?


「フィリア、フィリム、タイミングを合わせろっ!!同時攻撃で畳み掛けるぞっ!!」


怒りをそのままにセリーは叫んだ。


「セリーが仕切ってるのはムカつくけど、さすがにこんな規格外の化け物相手に私達だけじゃ勝てないし協力してあげるよ」


「頭はバカでも実力だけは本物だな。いいだろう。今はセリーの案に乗ってやろう」


フィリアとフィリムはそれぞれセリーに答えた。


セリーとフィリアとフィリムがそれぞれ帝級スキルを全開にしながら向かってくる。


「お前らマジかよ…発動、帝級スキル、空間帝」


セリー達はライナーの帝級スキルが発動した瞬間、一瞬身構えるが、すぐに肩透かしだった事に気づく。

何故なら空間帝はセリー達を狙ったわけではなく、プロトウリン…つまりライナーがウミルと名付けた存在に対し発動していたからだ。


ライナーはウミルを亜空間に隔離したのだ。


「「私達をなめるなっ!!」」


ライナーをセリー達の嵐のような連続攻撃が襲うが、それをライナーは剣帝のみでなんとかいなす。


「ちょっと待て、さすがにこれはしんどいぞ?」


若干焦った様子のライナーは言った。


「「ならばそのまま死ね!!」」


ライナーがウミルに空間帝を使った一件を完全になめた態度だと判断した三人の声は揃う。


「ちっ…あークソっ、発動、帝級スキル、光速の帝」


たまらずライナーは3つ目の帝級スキルを解放した。

だがライナーが帝級スキル、光速の帝を解放するというとはどういう事か…

ライナーは今まで口ではしんどいとは言いつつも、曲がりなりにも剣帝のみで、セリー達の攻撃をいなしていたのだ。

それに光速の帝の∞の俊敏ステータスが加わればどうなるか…


結果は見ての通りだ。


「…クソがっ」


セリーは自分の上下真っ二つにされた体を見ながら吐き捨てた。

フィリアとフィリムも自分と同じ状態だ。

もっとも帝級クラスが上下真っ二つにされた程度で死ぬ事はない。

だがそんな話ではない。

この状況が意味する事…

それは…

自分達はどう逆立ちしてもライナーには遠く及ばないということだった。

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