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第506話白天10


「発動、森羅万象」


俺の森羅万象に10体ほどの神々が飲み込まれる。

もうさっきから何度目かわからないが…


「どうやら本気で時間稼ぎしているみたいね?ねえ、鋭治?もうめんどうだから殺せば?」


姉ちゃんは言った。


俺は答える。


「いやもったいなくね?」


「だって殺した方が絶対早いわよ?」


「それをやるなら最上階に直接転移してるわ。俺の神格エネルギーならペテルワッカスの転移妨害なんかゴリ押しで突破できる」


「…なんでやらないのよ?」


「いや、だからもったいないじゃん?神格エネルギーが」


「………」


ついに呆れ果てて姉ちゃんは黙ってしまった。

だって今回勝ち確だし?

神格エネルギー10分の1以下の相手に、ナメプしてても負けるとかまずありえないし?

だから貰えるもんは貰っておこう。

それが俺の考えだ。

てか姉ちゃんなら俺の考えがわかってるはずなのに、なんでここまで食い下がる?

俺は思った。


そんな俺の思考を感じとったのか姉ちゃんは言う。


「ペテルワッカスは意味もなく戦力を小出しにするような事はしない。目的は時間稼ぎ…ここまではわかる。でもその稼いだ時間を使って何をしようとしてるのかまではわからない。いくらペテルワッカスが鋭治にとってはただの雑魚でもあんまりなめるのは…」


「考えすぎだ。問題ねえ。どの道ヤツは最高神…この宇宙からは逃げられない。それに…」


俺は意味深そこで言葉を切り、姉ちゃんの次の言葉を周囲に聞こえないようにする。

神の千里眼で聞かれたらいろいろめんどくさいしな?


「…万が一逃げられたとしても、気配は覚えたから追跡は可能。時間や空間の移動も自由自在…妨害も神格エネルギーの差のゴリ押しで完封か。本当にアラウザルゴッドってのは呆れる化け物ね…」


姉ちゃんは言った。


ちなみにこうして姉ちゃんと話している間にも、俺達は先に進んでいるわけで、そうなれば散発的にペテルワッカスの配下の神々が襲ってくることになる。

まあ当然なんの抵抗もできないまま、俺の森羅万象にぶち込まれる事になったのだが…




それから大体1時間ぐらいかけて、俺達は最上階へとたどり着いた。

扉の向こうにはペテルワッカスとその配下2人の気配がする。

向こうもこちらに気付いていて、既に臨戦態勢なのは気配から読み取れる。


「さあ、遊びは終わりだ。さっさと片付けて拠点に帰るぞ」


俺はその言葉と共に勢いよく扉を蹴破るのだった。

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