第497話白天
姉ちゃんが今回の戦いに参戦する事が決まった後、俺はエリスを話に参加させていた。
「お初にお目にかかります。私はラグア様の配下でエリス・イグロシアルと申します。リオーナ様はラグア様の姉君だそうで、お会いできて光栄にございます」
エリスはそう言ってリオーナに跪いた。
「鋭治の配下ねー?可愛い配下ね…って言いたいところだけど力は全然可愛くないわね…」
リオーナは若干呆れながらそう言った。
神格エネルギーで言えば同格のオリジンゴッドのエリスを、可愛いと言うにはリオーナには無理があった。
「エリスは俺の最初の配下で片腕だ。オリジンゴッドは他にも何体かいるが、今回動かせるのはエリスだけだな」
俺は言った。
エリローズとテオレームは遠征中…
ウルドナートとミグは拠点宇宙での仕事を任せた。
正確には配下じゃないのも混じっているし、配下かどうか怪しいヤツや、主人が2人いるよくわからないヤツもいるが、味方には変わりはないから細かい事はいい。
「はっ、ラグア様に拾っていただきかれこれ50年以上が経ちます」
「まあいいや。今回の参加メンバーはこんなところだ。さっそく神界に行こうぜ?」
姉ちゃんはまだ何か言いたそうだったが、俺はそう締めくくった。
〜
ラグア達がそんなやりとりをしている頃…
〜ミュールゼルのあった宇宙の神界、ペテルワッカスの居城、謁見の間〜
「…ミュールゼルが消えた?いや惑星ごとどこかへ転移させられたか…」
玉座に行儀悪く座りながら、ペテルワッカスは呟いた。
彼の目の前には、彼の次の言葉を待つ彼の側近中の側近達…三体のオリジンゴッドが跪いている。
彼らはペテルワッカスの次の言葉を待つ。
ペテルワッカスは言う。
「…わかってるなお前ら?戦闘は最後の手段だ。イナゴと正面から戦うなんてアホのする事だ。まずは白天の目的を聞き出せ。白天の目的しだいだが、ある程度の事なら譲歩する。一番の理想はさっさと帰ってもらう事だ。いいか?口の聞き方には気を付けろ。間違っても白天を怒らせる様な事態は避けろ。俺は最悪の事態を想定して準備をする。最悪ダメでもできるだけ時間を稼げ。いけっ!!」
「「はっ」」
ペテルワッカスの言葉に配下のオリジンゴッドはそう返事をすると謁見の間を出ていく。
ラグアとペテルワッカス…
それぞれの勢力が今接触しようとしていた。




