第487話星帝会議の後…
ラグアとウルドナートがそんな話をしている頃…
リーゼは側近のギースとマリアと共に自らの私室にいた。
「リーゼ様、お疲れ様です」
ギースがそう言いながらリーゼに果実水の入ったコップを差し出せば、マリアもそれに合う菓子類を差し出す。
リーゼは差し出された果実水を一口飲みながら言う。
「いや、今回はけっこうギリギリだったよ。たぶん今回みたいなのは、これで最後にした方がよさそうだね。いくらリーゼでもたぶんこれ以上やればよくて幽閉…下手すりゃ消されるしね?」
マリアはそんな主の言葉に目を見開く。
「ラグア様はリーゼ様を大切に思っておられます。その様な事は…」
リーゼはマリアの言葉を途中で制す。
「マリア。パパは今まですごく我慢したと思うよ?調子に乗ったリーゼが若干やりすぎた感はあったけどさ?マリア、言ってなかったけどリーゼには他人の考えてる事がある程度見えるんだ。今回のこれはパパの最後の慈悲だって事もわかる」
ギースもマリアも何も言わない事を確認してからリーゼは更に続ける。
「だけど今回のパパの最後の慈悲…結果はパパの許容範囲ギリギリまで攻める事になったけど、おかげで下準備はできた。ここからだよ?リーゼは直接見てないけど、ラピロアとかいうヤバイヤツも存在するらしい。そいつはパパを差し置いて全宇宙の頂点などとのたまっているらしい…許せる?リーゼには無理。パパは常に全ての頂点に君臨すべきなんだ。そして絶対君主であるパパの役目は、玉歩を進み全宇宙の頂に君臨する事…ならリーゼ達の役目は…」
リーゼはそこで一度言葉を切る。
「玉歩を進むパパの障害物を全て取り払い、道を切り開く。邪魔者は全て消し、パパが全宇宙の支配者としてこれから永遠に君臨する為の最高の舞台を演出する。それがリーゼ達の役目だよ?それができるのはリーゼだけ…他のパパの配下達がパパの手足だとしたら、リーゼはパパの目になる!!パパの進む先を見通し、パパの進むべき道を指し示す目に!!」
途中から感情的になったリーゼは一気に言い切った。
「その為の下準備は終えた。見ててねパパ?いずれリーゼが、なんでこんなわがままを押し通したのかがわかるから…そして絶対後悔なんかさせないから…」
リーゼは今度は虚空を見つめながらポツリと呟いた。
「さあ、ギース、マリア、切り替えて?最初の作戦だよ。古代アルムスに降りる準備をして。今回でリーゼは神級に…お前達には帝級にはなってもらいたいからそのつもりでね?」
「「はっ、全てはリーゼ様とラグア様の未来の為っ!!」」
ギースとマリアの声が響き渡るのだった。




