第460話創造の検証2
〜24時間後〜
「さて、創造のインターバルが終わった。テオレーム、さっき説明した通りで頼んだぞ?」
「はっ」
俺の言葉にテオレームはそう返事をする。
「いくぞ?概念、創造、神格創造」
俺の前には下級神2人が生まれる。
ここまでは昨日といっしょだ。
だが…
「発動、概念、混成」
テオレームがそう言った瞬間、誕生したばかりの下級神2人の神格エネルギーは強制的に混ざり合う。
そして後に残ったのは…
見た目は女…
だが、アダムとイブとは違い、完全に天使らしさは抜けていた。
特徴的な真っ白な髪と真っ赤な瞳は、俺やエリローズの眷属を思わせる。
〜
まださすがに中級神にはなれないか。
まあ、下級神二体分じゃこんなところか。
コイツをベースに明日の分を混ぜ合わせれば、なんとか中級神まで持っていけるだろう。
「リムリット。それがお前の名だ。俺の事はマスターと呼べ。最高神だとか神王だとか呼ぶ事は許さん。お前より先に生み出した連中にもそう呼ばせている」
俺は言った。
さすがに丸一日あれば新しく生み出すってわかってるヤツの名前ぐらい考える。
つーか、特にやる事もなかったしな?
「マスター、お初にお目にかかります、この度は素晴らしい名前をありがとうございます」
創造と混成で作り出した、下級神2体分の神格エネルギーを持った下級神改め、リムリットは流れるような仕草で俺の前に跪くと言った。
「コイツはおもしれー概念の使い方するなあ?ラグアよお?」
そんなエルミナの言葉に生まれたばかりのリムリットは警戒心を露わにする。
「…マスター。この方は…?」
「クカカカッ、えーっと?リムリットだったか?心配すんな?お前のマスターの敵じゃねーよ?今はまだな?」
エルミナは言った。
そこに関しては俺も同感だ。
コイツがどんな経緯でアラウザルゴッドになったかは知らないが、普通に考えて平和主義のアラウザルゴッドなんてあり得ない。
今はコイツが俺の事を一方的に気に入っているし、そんな状況は極力さけるが、コイツの主のラピロアとの対話しだいでは、敵になる可能性は少なからずあり得る。
「クカカカッ、ラグア、お前もそう身構えるなよ?例えお前がラピロア様の配下にならなかったとしてもアラウザルゴッドは特別なんだぜ?滅多な事じゃ敵対なんかしねーよ。まあ、お前が望めば別だが、あの方の力は、オレ達他のアラウザルゴッドとは、比べるのもバカらしくなるレベルだ。まあ一回会ってみればオレの言葉の意味がわかると思うぜ?」
エルミナは言った。
「ああ、この宇宙を消したらお前の主に会う」
俺はそう一言だけ言った。
それから十数時間後、宇宙は完全に消滅するのであった。




