第450話滅びゆく世界からの脱出
と言う訳で予定通り、年忘れ毎時間連続投稿を開始します。
どれだけ続くかはもちろん………決まってません。
と言うか私がこの前書きを書いてるのは、12月13日でして…
『りょーかい。プロトセリー。ならとりあえず合流場所は、ダミーエルライド王国でいいかな?』
『わかった。そこで落ち合おう。私も今から向かう』
そこで魔道王の通信は切れた。
なぜプロトフィリアはこんなに簡単にプロトセリーの言葉に従ったのか?
それはプロトフィリアから見ても緊急事態…いや、そもそもプロトフィリアは命令を遂行する意味などもはやないからだ。
プロトフィリアに与えられた命令は量産型アンデットの包囲網の維持だ。
だが…
「余波だけで量産型アンデットの包囲は壊滅…さすがにこれで私だけ残ってもね?」
プロトフィリアは完全に崩壊した自陣を見ながらそう言った。
こんな包囲がもはや何の意味もない事は明白だった。
プロトフィリアはその言葉を最後に長距離転移を発動する。
〜
ダミーエルライド王国についたプロトフィリアはプロトセリーを待つ。
中距離転移しか使えないプロトセリーは長距離転移が使える自分より早いはずはないが、急がないと間に合わなくなる。
と言うのも既にアルムスの至るところで巨大な火柱が上がり、もはや地獄絵図と言ってもいい状況だった。
少し待つとプロトセリーが到着する。
プロトフィリアは言う。
「どうするプロトセリー?たぶんこの星はもう長くないよ?」
それは誰が見てもわかる光景だった。
「………とりあえず宇宙空間に脱出する」
プロトセリーは少し考えてからそう言った。
それに対してプロトフィリアは反対した。
「ダメだよ。私達じゃどれだけ持つかはわからないけど、宇宙空間じゃ長くは生きられない。それじゃ結局同じじゃん。なら…本国に帰ろうよ?」
「それこそダメだ。今の私達は本国に帰還する許可をいただいていない。無理に帰ろうとすれば…わかるだろう?」
本国…つまり惑星国家イグロシアル…
帰還許可が出てもいないのに無理に戻ろうと…そんな事をすれば…
「よくて命令無視で処刑…最悪は謀反と間違えられてその場で殺されるかな?どっちにしても終わりだね」
プロトフィリアは答えた。
プロトセリーとプロトフィリアがそんな話をしている間にも、アルムスの崩壊は更に進み本格的にヤバイ状況になっていた。
「決まったな?なら急ぐぞ。ここにいても生き残る道はない」
プロトセリーのその言葉で二体のプロトクローンは宇宙空間へと向かう。
僅かな希望にかける為…




