第449話終焉の現代宇宙
「はいよー、師匠」
「はっ、この不肖テオレーム・クリムゾンがエリローズ様の盾となり、エリローズ様には指一本触れさせないと……」
ミグとテオレームはそれぞれ答えた。
なんかコイツら温度差が凄いけど、気にしたら負けだ。
俺は思った。
エルミナは言う。
「ほう?既に4体のオリジンゴッドを従えるか。まだいるのか?」
「あ?これで全部だ。正確にはエリス以外は従えているかどうかは微妙だけどな?」
俺は答えた。
エリローズは従えていると言うよりは、相棒って言うのが正しい。
ミグはよくわからん。
一応俺が神級にしたから、師弟関係が成り立つのか?
アイツ自身も俺の事を師匠って呼ぶしな?
待てよ?その考え方だと俺の師匠はエリローズって事になるのか?
………うん。ないわ。
あのアホを師匠と呼ぶとかねーわ。
俺は思った。
俺がそんな事を考えている間にも、エリローズは集中をはじめる。
領域展開を発動させるつもりなのだろう。
「領域展開、概念、消滅。宇宙完全消滅までの所要時間…72時間…」
真剣な雰囲気に変わったエリローズが言った。
古代アルムスのもう1人のエリローズも含めて、宇宙消滅を見るのは俺はこれで2回目だ。
今から72時間エリローズは。領域展開の制御に集中して他の事に気を回してる余裕はないだろう。
その間に俺の新しい概念を確認して…
まあ、それはエリスが戻ってからでもいいか。
俺は言う。
「エルミナ。72時間ただ待つのも暇だ。エリスが戻ってくるまで適当に雑談でもするか?」
「ああ、オレもお前には興味があるしな?新たなアラウザルゴッド…いやラグア」
俺とエルミナは話はじめるのだった。
〜〜〜
時はラグアとミラが戦闘をはじめた直後にまで遡る。
プロトセリーはリーゼ達が攻撃を開始した場所で待機していた。
「これは…ラグア様…」
プロトセリーはその先の言葉が出てこなかった。
おそらく初代ラグアが治めているであろう国は完全な地獄と化していた。
この時、ラグアはミラと戦闘中…
そしてミラ配下達を相手にラグアの分体が、足止めと言う名の破壊の限りを尽くしていた。
ラグア本体は見えないが、プロトセリーは暴れ回るラグアの分体を確認していた。
リーゼ様からの待機命令は…いや、さすがにもはやどうこう言っていられる状況ではない。
このまま、ここにいたら死ぬ。
それはもう確実だ。
このまま巻き込まれて死ぬのと、命令無視で処刑されるのに差はあるかも知れないが、後者は絶対ではない。
ならば生存率の高い方を選択する。
プロトセリーは思った。
プロトセリーはそのまま王級スキル、魔道王を発動させて通信を繋ぐ。
相手はプロトフィリアだ。
『プロトフィリア聞こえるか?緊急事態だ。今すぐ合流するぞ』
プロトセリーは言ったのだった。




