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第447話両面のエルミナ


「ああ聞いてたよ。だが少し待ってほしい。まだここでする事があるからよ」


俺は少し言葉に気を使いながら言った。

絶対な力を持つコイツと敵対するのは絶対に得策ではない。


「なあ?普通に話せよ?別に気を使わなくていいぜ?お前からはオレと同じ臭いがプンプンする…というかオレにはお前のどす黒い感情がよく見えるんだぜ?」


邪悪な笑みを浮かべながらエルミナは言った。


ちっ…

読心か。

まあ、これだけの力の差があれば読まれるのは仕方ない。

そして向こうが望んでいる以上、隠す必要もないか。


俺は言う。


「あ?それは構わないが、後からやっぱりやめろとか言うんじゃねーぞ?俺はこれがデフォルトだからな?」


「くくっ、ああ、それでいい。そっちの方がオレ達らしい。アゼルメーテにはああ言ったが、それはオレが単純にアゼルメーテが嫌いなだけだ。認めると同時にな?」


そう言ったエルミナの瞳には強い嫉妬の感情が浮かんでいた。

エルミナは続ける。


「あーっと…自己紹介がまだだったな?オレはラピロア様配下にしてアラウザルゴッド…両面のエルミナって呼ばれてる」


「俺はラグア。ラグア・エルライド・イグロシアルだ」


俺は答えた。


「長げーな?それ名前か?まるで生物みてーな名前だな?」


「あ?生物も何も俺は元々ただの微生物だ。疑うなら見ろよ?お前なら俺の記憶を見るぐらい簡単だろ?」


俺は言った。


そのすぐ後、エルミナは灼熱の髪と同じ色をした瞳を大きく見開く。


「………こいつは驚いた。生まれてから数十年?アラウザルゴッド最短どころの騒ぎじゃねーよ…オレでさえ億単位の時間をかけてようやくアラウザルゴッドになったってのによお?………気が変わった。ラピロア様の判断を待つまでもねえ。ラグア…お前ラピロア様の配下にならねーか?お前ならたぶん特別待遇だぜ?」


俺はそのエルミナの言葉に少し考える。

現状、他のアラウザルゴッドと敵対するにはまだ力が足りない。

と言ってもラピロアってヤツの配下になるってのはな…

正直好きに動けなくなるのは困る。

そもそも俺はいずれラピロアってヤツと敵対する可能性はあるし、それ以前に俺はそのラピロアってヤツが気に入らなければ、今は敵わなくてもいずれ殺そうと考えるはずだ。

あ、やべっ…

これも読心で読まれてるのか。


「構わねーよ。オレも昔はお前と同じ考えだったし、ラピロア様やオレを殺そうとするのは一向に構わねー。それがオレ達アラウザルゴッドの本質だしな?ラピロア様の配下になる事のお前のメリットはラピロア様の庇護下に入れる事だ。それだけで他のアラウザルゴッドはお前に手を出せなくなる。次にデメリットだが…」


エルミナは次に続く言葉を言うのだった。

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