第41話オルム王国の最後
ある晴れた日だった。
オルム王国王都、城壁警備長ケビンは、ボンヤリ空を長めていた。
「今日もいい天気だな。」
ケビンは呟く。
オルム王国王都、城壁警備隊は、基本暇だ。
そりゃ、有事の際には国を守って戦わなくてはならない。
だが5メートル以上ある城壁をよじ登ってくるものはただの自殺行為であり、ケビンは20年以上この仕事をしているが、そんな事をするものを見た事がない。
もっとも、城壁を飛び越えたり、ぶち抜いたりしてくる高位の魔物相手には、警備隊は全く意味をなさないので、警備隊の存在意義については疑問だが。
しかし、ケビンは日がな1日ボンヤリしているだけで給料が貰える、この仕事が好きだった。
もっとも、自分達が暇だと言う事は、それだけこの国が平和だと言う事。
ケビンはそう思いながらまた、ボンヤリ空を眺める。
上空には、天使も優雅に飛んでいる。
ん?天使?
突如、空から無数の隕石の雨が降り注ぐ。
それがケビンが見た、最後の光景だった。
〜〜
さて、やってきましたオルム王国。
ここまで、周辺諸国に情報が漏れないよう、山中を通ってきたので、ここまで辿りつくのに一年もかかったが、おかげでいつものように満々たる将兵が待ち伏せている事もない。
現在、俺はオルム王国の王都の上空にいる。
ちなみに、兵達は現在オルム王国から、5キロ程離れた位置に、王国を囲むように配置している。
今回は1人たりとも、逃すつもりはない。
俺は、いつも通り、王都に隕石の雨を降らす。
やっぱり、多対戦だとこれが一番楽だね。
巨大隕石一発でもいいのだが、あれは地震などの二次災害で、味方にも被害が出る。
エリスやセリーやライナー、それに親衛隊の面々は、その程度で被害が出る事はないが、他の一般兵は別だ。
昔は気にしなかったが、今では一般兵も俺の軍である。
自軍に被害が出ないにこしたことはない。
俺はそんな事を考えながら、隕石の雨を降らす。
すぐに大量の経験値が入ってくるのがわかる。
まだまだ。
こんなもんじゃ、全然足りない。
俺は人が密集している地域に少し大きめの隕石を落とす。
また数千人の命が消える。
オルム王国の連中もようやく、攻撃されている事がわかり、逃げ惑うがもう遅い。
突如、地面から生えてきた土の槍に体を貫かれる。
上空と地面から同時に攻撃を受けた、民衆はもはやパニック状態だ。
僅かに王都の外に出られた者達も、あらかじめ配置しておいた兵達に次々に殺される。
この日、人口およそ6000万人のオルム王国の王都は、地図から消滅した。
さて、あとは周辺の町や村も同じ方法で潰すか。
とその前に、俺のレベルは100まで上がり平均ステータスは、12億まで上がった。
そして…
エリローズ 「レベルが上限に達しました。進化が可能です。進化先を表示します。」
もうお馴染みの声が、頭に鳴り響くのだった。




