第443話孤高のアゼルメーテ
クソッ…なんなんだよこの化け物は…
化け物…そうアラウザルゴッドと化し、初期オリジンゴッドの49倍の膨大な神格エネルギーを持つ俺が化け物と…そうとしか言えない存在…それがコイツだ。
感じる神格エネルギーは比喩などではなく、もはやキチガイの領域だ。
例えるなら一滴の水と大海…
俺とコイツにはそれだけの開きがある。
俺がそんな理不尽な現実に直面していた時だ。
「アゼルメーテっ!!なんで来たのっ!?ラグアはあたしが殺る。手出しは無用だよっ!!」
ミグは叫んだ。
〜
ミグとアゼルメーテが出会ったのは、ラグア達が古代アルムスへ向け転移した直後だ。
その時、ミグ達もまた別の空間軸の宇宙に向けて転移していたのだ。
空間軸の違う宇宙…パラレルワールド転移…
それは本来ミグには不可能だった。
転移は本来知っている場所…少なくとも空間を認識している場所にしか発動することができない。
宇宙をまたにかける行為…
例えばラグアは、それを神級スキル、次元の神や時空の神を使用することで可能にした。
例えば最高神は、次元の神などの神級スキル…そして宇宙を束ねる最高神としての膨大な知識がそれを可能にした。
本来そんな事はミグにはできない。
だが、転生の概念を使った事により、一度とは言え仮にも宇宙の最高神となり得た別の空間軸の宇宙の情報と、神級スキル、叡智の神による膨大な知識量がそれを可能にした。
もっとも半ば裏技のような方法をとっている為、本来のパラレルワールド転移では絶対にありえないような危機に陥っているのだが…
ミグ達が転移した先…
そこには正真正銘の化け物がいたのだ…
「ほう。客とはずいぶんと久しぶりだな?我の宇宙に何か用か?」
その透き通る様な…だが絶対強者としての風格を漂わせる声にミグを含めた一同は硬直する。
全宇宙の頂点…
アラウザルゴッド…
そしてそんな選ばれし者達の中でも神格エネルギー保有量は堂々の2位…
孤高のアゼルメーテ…
理不尽を体現したかの様な化け物がそこにはいた。
「ゴッド…」
「やめておけ。そんな涼風で我を傷つけられるとでも思うか?」
1番最初に硬直から立ち直ったミグが先制攻撃を仕掛けようとするが、ミグのゴッドバーストが発動する前に言った。
神格エネルギーの差は歴然…
それこそ例えるのもバカバカしくなる程に…
これがミグとアゼルメーテ…
2人の最初の出会いだった。




