第441話星屑の中の決戦
これで19倍…
このステータス差ならいけるか?
いや、近接戦闘ならともかくこのぐらい距離があればタイミングを合わせられればゴッドバーストは間に合う。
俺は文字通り宇宙の塵になったアルムスを見下ろしながらそんな事を考える。
「師匠ー?これが現代のあたし?」
そういえばコイツを戻すのを忘れていた。
俺は古代ミグ…味方のミグに答える。
「ああそうだ。そんでお前のおかげで拮抗が崩れた。よくやった」
「えへへー、師匠に褒められたー!!」
俺と味方のミグがそんな会話していた時だ。
「…気持ち悪い…吐き気がする…なんで?なんであたしの顔して笑ってそんなヤツと話してる?殺す…殺す…殺してやる…気持ち悪いあたしもラグアも…お前ら全員皆殺しだよぉぉぉぉ!!」
現代ミグは瞳に殺気と憎悪を漲らせながら叫んだ。
「森羅万象」
俺はとっさにミグを森羅万象に戻した。
理由は2つ。
1つはミグに無駄な神格エネルギーを与えない為…
今の味方のミグではさすがに勝負にならない。
もう1つは味方のミグと目の前のコイツを会話させることは俺にとってデメリット以外のなにものでもないからだ。
コイツが俺を恨んでる理由なんか聞かれたらめんどくせー事になりかねないしな?
「来いよミグ?俺を殺してーんだろ?そんな距離じゃ得意のゴッドバーストも当たんねーぞ?」
俺は言った。
今の距離は少し遠すぎる…
ミグがゴッドバーストを当てるにも、俺の初期オリジンゴッドの19倍と化したステータスを活かすにもな?
「ラグア、挑発が下手だね?さっきのあたしのミスでお前の神格エネルギーは相当量が増えた…今のあたしじゃお前と近接戦闘はちょっと不利かな?」
ミグは言った。
いくらなんでもさすがにそれぐらいはわかるわな…
あと一撃…
あと一回ミグから神格エネルギーを奪えば、そこからは戦いですらなくなり、ただの蹂躙になる。
問題はどうやってもう一回奪うかだが…
自動発動の黄泉の神の弱点は、基本的に死んだ場所と同じ場所に復活する事だ。
そして死亡から復活までは多少のタイムラグがある事も…
もちろん、手動の場合は復活場所は変更可能だし、タイミングも自由自在だが、術者本人がこの世にいない時はどうしようもない。
つまりミグは俺に殺された時は自動発動に頼るしかない。
仕方ない。
俺はここで切り札を切る事にした。
神格エネルギーの上がった今の俺なら、多分1分半程度は耐えられる。
まあ、使うのはほんの一瞬だがな…
一度…
一回殺せば十分だ。
「発動、概念融合、消滅」
俺はそう言ってアラウザルゴッドの真の力を解放するのだった。




