第438話終焉のアルムス
俺は突然現れた現代ミグの姿を確認すると同時に既に動いていた。
全身に消滅の概念を纏わせ、アラウザルゴッドの全力のステータスで、一直線にレディナに全力の触手の一撃を叩きこむ。
オリジンゴッド相手に概念融合を使っていない概念など通用しないが、これはレディナが発動した概念を打ち消す為だ。
「ぐっ…」
レディナの概念の効果は詳しく見てないから不明だが、俺とレディナが触れた瞬間何かが発動した気配があった。
だが、それは俺の消滅の概念に打ち消される。
大量の神格エネルギーを込めた俺の触手の一撃は袈裟懸けにレディナの肩口から一気引き裂くが、レディナはなんとか途中で体を逸らし致命傷を避ける。
これによりレディナから約3分の1…だいたいオリジンゴッド一体分の神格エネルギーを奪った。
これで俺は初期オリジンゴッドの12倍か…
「貴様ぁぁぁ!!」
レディナは俺にカウンターを打ち込もうと迫るが、俺の触手の方が早い。
「死ね」
俺の触手がレディナに迫るが、俺は後ろに巨大な神格エネルギーを感じ、上空に飛ぶ。
巨大な神格エネルギー…ミグは上空に…真っ直ぐ俺についてくる。
「キャハハっ、死ぬのはお前だよ?」
その言葉と共に俺にミグの攻撃が迫るが、俺は大量に神格エネルギーを込めた触手でそれを弾き返す。
さらに態勢の崩れたミグに俺の無数の触手が迫るが、嫌な予感がして、俺は触手を引っ込める。
案の定、俺が触手を引っ込めた位置にはミグのゴッドバーストの嵐が吹き荒れる。
ここで俺は一旦距離をとり、改めてミグを観察する。
神格エネルギーは…くそっ…初期の5倍か…
それは俺の半分以下だが、最高神のジジイに匹敵するほどだ。
さらにそんな化け物が放つゴッドバースト…
余波だけで既にアルムスはめちゃくちゃだが、俺は直撃しない限りは問題はない。
だが、逆に言えば近接戦はかなり厳しいと言える。
俺はそんな事を考える。
ミグは言う。
「ラグア、久しぶりだねぇぇぇ!!いや、そんなにたってないかも知れないかも知れないけどあたしは片時もお前の事を忘れた事はないよっ!!」
「…ゾンビスライムがっ!!てめえは一体何回殺されれば気が済むんだよっ!!」
俺は現代ミグに怒鳴り返した。
なぜこんなに神格エネルギーが増えているのかなど、謎はあるが、そんなのは後だ。
俺はさすがに突っ込まずにはいられなかった。
俺達が上空でそんなやりとりをしていると、地上から轟音が響き渡り、惑星自体にヒビを入れるレベルの踏み込みと共にこちらに真っ直ぐレディナが飛翔してくる。
俺、ミグ、レディナ…最後に笑うのは誰かわからないが、たぶん今日でアルムスは終わりだろう。
俺は思った。




