第437話アラウザルゴッドの影18
ちっ…若干しくじったか…
正直俺の計算上、神の軍勢は50体近く余ると思っていた。
それは俺の計算がミスったとかそうゆうわけではなく、オリジンゴッドになった後も元上級魔神と元上級武神がいくらかを倒したからだ。
正直オリジンゴッドになったあとは、オリジンゴッドに満たない神をいくら倒しても無駄だ。
俺は最後の上級聖神がオリジンゴッドに至った瞬間に退かせるそう思って森羅万象の準備を進めていた。
これは完全な言い訳だが、俺は上級聖神がオリジンゴッドになるタイミングばかり測っていて、残り2人の動きは完全に放置していた。
〜
「で、結果これだわな…」
俺は体にアラウザルゴッドの…通常のオリジンゴッドの約11倍の神格エネルギーを全身に纏わせ、千手観音モードを展開しながら呟いた。
レディナとか言う上級聖神から至ったオリジンゴッドの神格エネルギーはエリローズに匹敵していた。
おそらく倒したわけではなく、神格融合を使用した為概念も丸々3つ受け継いでいることだろう。
正直、概念融合を使えばこんなヤツ敵でもなんでもない。
だがそれではクソジジイの残党まで使って、わざわざオリジンゴッドまで育てた神格エネルギーが全て水泡に帰す。
「ほう?まさか神格融合まで使うとはな?こいよ。それなりに本気で相手してやるよ?」
俺は言った。
元上級聖神…レディナは俺の言葉がしゃくに触ったらしく、眉を動かすが一旦俺から距離をとる。
「ちっ…」
俺は舌打ちをした。
神格融合をしたとは言え、アラウザルゴッドである俺とのステータス差は歴然だ。
近距離からの神格エネルギーの殴り合いでは分が悪いと判断したのだろう。
焦っても意味はない。
なら先に他の方を片付けるか。
俺は少し集中する。
「発動、森羅万象」
森羅万象が発動した。
普段の森羅万象ならそこまでの集中はいらないのだが、今回は別だ。
何しろ3つ…いや、最高神の残党を合わせれば20近くに同時に森羅万象をかけている。
対象はイグロシアル…そしてミグ…更に最高神の残党だ。
それもアルムス自体に森羅万象をかけずに、一体一体に丁寧にだ。
しかもイグロシアルとそしてミグ。
さらに最高神の残党は、同じ森羅万象でも入れる場所が違う。
その事も俺に集中を必要とさせた。
〜
とりあえず成功はした。
正直オリジンゴッド時代の俺だったら、同じことは神格エネルギーにものをいわせて、できるにはできるが、もう少し時間がかかったのは確実だろう。
俺は思った。
「発動、概念、倫理、不協和、天刃」
距離をとったレディナから声が聞こえた。
ここからが最終決戦…
俺が身構えた時だ。
「ちっ…次から次へと最悪のタイミングだな…」
俺は呟いた。
「キャハハハハっ!!おかえりラグアぁぁぁ!!ずいぶん面白そうな事やってるねぇぇぇ!!時間軸?空間軸?わかんないけど違う宇宙のお土産はお前の命でいいよぉぉぉ?」
こうして俺にとっては、最悪のタイミングで最悪なヤツが現れるのだった。




