第40話オルム王国攻略準備
リアルでまだ家に帰っていないので、今日はこの一話だけです。
そのかわり少し長めです。
野良魔王2人を倒してから約一年。
俺がこの世界にきてから約六年がたった。
ようやく、国力がある程度の水準まで、回復した。
この間に、ミュンがやってきて、野良魔王が倒された事について、何か知らないか?
と聞かれたが、しらばっくれた。
まだ、アイツらに目をつけられるわけには、いかない。
ここまでは順調だ。
ちなみに、俺もこの一年、遊んでいた訳ではない。
俺は13魔王について知識がなさすぎる。
それは、これからいずれ敵対するにあたって、致命的だ。
それについては、ミュンに聞いたり、王族の権限を思い切り使って調べたりしてみたが、わかったのは、神魔大戦のあとの事ぐらいだ。
ミュンは神魔大戦時、まだ幼かった為、詳しい事はわからなかったが、神魔大戦は世界が半壊する程の地獄だったらしい。
ミュラをはじめてみた時、俺は生物としての格の違いを、見せつけられたが、そんなヤツらがただ逃げ惑う事しか出来ない超常の存在。
神級スキルを持っていると言うが、正しく神の所業だろう。
今のところ、俺が警戒しなければならないのは、第二世代と第三世代の魔王達。
ヤツらの実力は、今の俺をも凌ぐ。
とりあえず、物理的に雲の上の衛星に引きこもっている、神様は放っておいていいだろう。
エリローズ 「私も神ですよー?」
黙れ、お前には聞いてない。
ともかくこの一年俺は、遊んでたわけじゃなくて、勉強していたのだ。
殺人鬼に勉強は合わないって?
むしろ、逆だ。
学習しない犯罪者に未来はない。
俺は前世でも完璧に計画を練り、下調べも入念にした上で犯行に及んでいたのだ。
逆に言えば、それでも起きてしまう、不測の事態も少なからず存在する。
入念に調べた、資産家の老夫婦を襲った時など、たまたまその日、里帰りをしていた、筋骨隆々の息子と鉢合わせ、危うく返り討ちになるところだった。
俺は前にも話したが、射撃の腕は素人の域をでない。
苦手な、改造銃まで使って仕留めた人間は、俺はこれまで数え切れない程殺してきたが、それほど多くはない。
とにかく、勉強は大事って事だ。
伊達に、国内最悪の連続殺人鬼などと、呼ばれてはいない。
検挙率、世界一の日本の警察から、10年以上も捕まらずに逃げていたのは、飾りじゃない。
まあ、結局逃げきれなくなり、国際逃亡までしたあげく、捕まった話は、また次の機会にしよう。
完全に話が逸れた。
とにかく俺が言いたいのは、勉強は大事って事だ。
その時ノックの音が聞こえた。
俺が入るように、促すと入ってきたのは、エリスだった。
「ラグア様、第1軍、第2軍、第3軍、各10万の部隊、準備が整いました。また、親衛隊の面々もいつでも出撃可能です。」
エリスが俺に跪きながら言う。
ちなみに、親衛隊と言うのは、エリスが集めてきた奴隷部隊で、1人1人がウォルトを遥かに凌ぐ実力を持つ、精鋭部隊だ。
ちなみに、約100名。
正確には、セリーとライナーな2人は、第2軍と第3軍の指揮を執るので、98名なのだが。
ちなみに、第1軍の指揮はエリスが執る。
え?元帥仕事しろって?
やだ、めんどくさい。
それに、俺は単騎で動いた方が、結果を残せる。
単騎で戦況をひっくり返す力が、俺にはある。
俺は言う。
「これより、オルム王国への進軍を開始する。13魔王の面々に気づかれない様に事が運べるのは、たぶんこれで最後だ。さすがに、オルムを落とせば、ヤツらも俺を危険視しだすだろう。従って、オルム王国の人間は皆殺しにする。準備にかかれっ。」
「はっ」
そう。
これは制圧作戦ではなく、殲滅作戦だ。
ヤツらは、俺やエリス、セリーやライナーのレベルアップのための餌だ。
一応、曲がりなりにも戦争の体裁をとったのは、少しでも俺達の目的に気づかせるのを、遅らせるためだ。
1つの国を、単騎で地図から消せる存在など、さすがのこの世界でも、それほど多くはない。
だが、そもそもいないと言えないのが、この世界の恐ろしいところだ。
皆さん考えてほしい。
服を着た、核爆弾が何人ものし歩いている世界、そんな恐ろしい世界に少なくとも、俺は住みたくない。
まあ、自分自身がのし歩いている、核爆弾の1人じゃなければの話だが。
今回の殲滅で、なんとしても、次の進化までもっていきたい。
偽造王の効果は健在だが、1億人規模の命を奪っても魔王順位の変わらない俺を、ヤツらは不審に思うだろう。
かと言って俺はもう、大量殺戮をするか、魔王もしくは勇者クラスを殺さなければ、簡単にはレベルは上がらない。
かと言って、堂々と魔王なり勇者なりを殺せば、完全な敵対行為とみられて、総力を挙げて潰されるだろう。
前回みたいに、自分からノコノコやってくるバカな魔王などそういないだろう。
あれは、運が良かった。
今回のコレはある意味賭けだ。
正直、今回の進化で帝級スキルまでは最低でもいかないと正直厳しい。
もし、いかなかったら、周りの周辺諸国の人間の命も奪うか、国を捨てて、野良魔王や、勇者、13魔王の下位のメンバーに闇討ちをしかけて、1人ずつ潰して、帝級までスキルが上がるのを待つしかない。
それでも上がらなきゃ、もはやお手上げで、俺はこの世界でもお尋ねものだ。
まあ、ふつうに考えれば、1億も殺せばいけるとは思うが確証はない。
上位3魔王?
ヤツらにはまだ、動きはないし、そこまで気にしてたら一生動けない。
俺はこれからの事に頭を巡らせながら、出陣の支度をする。




