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第432話アラウザルゴッド影13


ミラから出た紫煙はアルムスを包みこむ…


さて、ミラが概念を発動してきた。

概念はアルムス全体を包みこんだ時点でそこに停滞した。

まあ、オリジンゴッドなんだから当然っちゃ当然だが、さすがにイグロシアルまで巻き込むようだったら俺もなんらかの対応をしなければならなかったが、それはしなくてよさそうだ。

俺はそう思いながらミラの概念に鑑定を使う。




概念、闇弱…


万物の暗部を司る概念…

効果範囲内にいる自分も含めた対象を大幅に弱体化させる。

その効果は神格エネルギーにも例外なく作用する。

尚、概念の発動者には多少の補正がされる。




言うなれば簡易版アンチステータスゾーンだな。

アンチステータスゾーンとは違い、完全にステータスやスキルを無効化する事はできないようだが、自分自身を巻き込んで範囲内にいるものを弱体化させる点では同じだ。

つまり格上との差を縮め、格下相手には絶対有利な状況を作り出す事ができるってわけだ。


ミラは概念の発動を確認すると、無言で俺に襲いかかる。

俺はその一撃を触手の一本で止めるともう一本の触手でミラを拘束する。


「甘めーよ。確かに差は縮まったかも知れねーが、元々の力が俺とお前じゃ違いすぎるんだよ?」


「ぐっ…私ではアラウザルゴッドには…」


ミラは諦めたのか、悔しそうに言った。


「「ミラ様っ!?」」


ミラの配下達がミラのその様子を見て、ミラの救援に入ろうとするが、俺の分体達がそれを許さない。


「終わりだ。ミグ、殺れ」


「ん?師匠は自分でやらないの?」


ミグは不思議そうに言った。


「ああ、コイツを殺せばお前の概念は修復される。不完全燃焼なんだろ?思いっきりぶちかましてやれよ?」


俺の言葉にミグは笑う。


「キャハハハっ、なるほどそーゆー事か。さすが師匠は頭いいねー?いいよあたしのとっておき見せてあげる」


ミグはそう言いながらミラの前に移動する。


俺はミグのその技がミラに炸裂する寸前に、拘束している触手を引っ込められるように備える。

さすがにこの技は俺も当たれば僅かだがダメージを負う。

まあ、俺のステータスなら避けるの自体は余裕だ。

だが、万が一にも仕留め損なわないように拘束を解くタイミングはギリギリだ。

俺は思った。


「じゃー、なんの恨みもないけど死んでもらうよ?師匠の敵はあたしの敵だからね?」


ミグは全身に全神格エネルギーを込める。

その技は現代アルムスのミグ・ヒピー…青い死神の代名詞とも言える技である。

もちろんこの技は他の神にもできる。

だが、神級スキル、黄泉の神を持たない存在にとってそれはただの自滅と変わらない。


「いくよ。ゴッドバーストっ!!」


ミグはその技の名を口にしたのだった。

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