第431話アラウザルゴッドの影12
俺はミグのところへ転移する。
それと同時に掴んでいた両手のミラと上級武神を地面に叩きつける。
ただ叩きつけただけなので衝撃はあるが、ダメージはないはずだ。
「あー、師匠ー」
転移した俺をミグが出迎える。
「「ミラ様っ!?」」
対してミグと向かい合っていたミラの配下2人も城の床を突き抜け、遙か地中に埋まっているであろうミラに駆け寄る。
その直後、城の地盤を神格エネルギーで吹き飛ばしながらミラが現れる。
「…やってくれたわね」
ミラは言った。
続いて先程の上級武神も地中から出てくる。
「ぐっ…くそ…」
上級武神は俺を睨みつけた。
俺は2人出てきた2人を見据えると、千手観音モードを展開しながら言う。
「さあ、第二ラウンドと行こうか?2対1の楽しい遊戯のはじまりだ」
俺は言った。
「2対1?それはどうゆう意味?」
ミラは言った。
どう考えても2対1にはならない。
ラグアとミグが2人に対し、ミラとその配下達は合計4人だ。
だが…
「あ?そいつらなんかはじめから数に入ってねーよ。お前らの相手はこれで十分だ」
俺はそう言いながら3体の分体を作りだす。
アラウザルゴッドと化した今の俺の分体は、神格エネルギーこそ持たないが、ステータス自体は初期のオリジンゴッドに匹敵する。
ヤツらを抑えとくだけならこれで十分だ。
もっともそんな事をしなくても、やろうと思えばコイツらを八つ裂きにするのは一瞬だが、それではコイツらの神格エネルギーがもったいない。
コイツらの神格エネルギーはこのままでは使えない為、利用するには少し手間がかかる。
ミラの主である、ラピロアは確実にアラウザルゴッド…
絶対になめてかかっていい相手ではない。
俺の分体達が一斉にミラの配下達に襲いかかる。
オリジンゴッド級のキチガイステータス達の攻防…
瞬く間に辺りは地獄絵図と化す…
「さて、言った通りになったな?俺に喧嘩売ったんだ。もちろん覚悟はできてるよな?」
俺は言った。
「ぐっ…アラウザルゴッドとは言え所詮は成り立てよ…ラピロア様やエルミナ様には遠く及ばないはず…上等よ!!発動、概念、闇弱!!私はラピロア様配下、元神柱の103…起源116柱の1人…紫煙のミラ!!」
ここにきて覚悟を決めたミラが、概念を発動させた瞬間、紫色の煙がミラの全身から放たれアルムスを包みこむ。
「来いよ。俺は星帝ラグア・エルライド・イグロシアル。覚えとけ?それがお前を殺すヤツの名だ」
俺は再び名乗りをあげた。
こうして、俺達と追い詰められたミラの戦いははじまるのだった。




