第429話アラウザルゴッドの影10
「神装、空神の神刀」
ディオーガがそう言った瞬間だ。
突如、混沌の神の空間融合は解除され、アルムスと切り離していた大広間も再び結合される。
ディオーガは言う。
「名も知らぬオリジンゴッドよ。俺はディオーガ。偉大なる全宇宙の神、ラピロア様の配下にして元神柱の103であらせられるオリジンゴッド、ミラ様直属…元神柱の638…上級武神ディオーガだ」
「ちっ、発動、概念、混…」
テオレームがそう言いかけた時だ。
「長げー口上だな?お前がちんたら喋ってたおかげで余裕で間に合ったわ」
その言葉と共に真っ白な髪と真っ赤な瞳の美少年が現れたのだった。
〜
俺はミグ達との神通及び神託を終えた後、テオレームのところに転移してきた。
ミグの方は今のところ問題はない。
そもそも戦闘にすらなっていない。
テオレームを回収してからでも余裕で間に合う。
俺はそう判断した。
そして、今回ミグを置いてきた理由だが、それはミグの概念の修復の為だ。
俺はミグが駄々をこねた時にそれに気づき、急遽アルムスに降ろすのをエリローズからミグへと変更した。
ちょうど手頃なオリジンゴッドもいることだしな?
まあ、リーゼはそんな俺の考えに気づいたみたいだがな?
「ほう?上級武神か。魔神以外にもそーゆのがあるんだな?まあいいや。テオレーム、お前はイグロシアルに戻れ。エリスはさっき退かせたからエリローズと共に三人でイグロシアルの守護につけ。後は俺がやる」
「はっ!!仰せのままに!!」
エリローズの名前が出た途端、テオレームの目の色が変わったのがわかった。
テオレームはそのまま転移でイグロシアルに戻る。
「さて…それでお前らは何者だ?」
俺は言った。
〜
この圧倒的な力はアラウザルゴッド…
マズイ…
最悪だ。
まだなんの打開案もないと言うのに…
とにかく引き伸ばさなければ…
ミラは言う。
「あら?そーゆーのは先にそちらが名乗るのが礼儀ってものじゃないの?」
「あ?人様の戦いに横やりを入れてきやがったヤツが、でけー口聞くじゃねーか?」
「それを言うなら先に攻めてきたのは、そちらでしょうに?」
ちっ、めんどくせー
まあ別に、こっちが名乗る事自体には問題ないからいいか。
「俺は星帝ラグア・エルライド・イグロシアル。あの星の支配者だ」
俺は上空のイグロシアルを指差しながら言ったのだった。




