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閑話13魔王会議


魔王、ミュラ・ゾフィスは集まった魔王達を見渡す。

今回も上位3魔王は欠席だ。

まあ、今回の犯人が彼等だった場合は、お手上げなのでいなくても差し支えない。

ちなみに、今日の会議には鑑定のスキルを持っている妹も連れてきている。


「お姉ちゃん、魔王順位が変わってる人はいないよ。」


妹は言う。

つまり一番面倒な事態だ。

7位以上の魔王か、勇者が犯人。


実際は、ラグアの偽造王のスキルに踊らされているだけなのだが、ミュラにはわからない。

ミュラは、周り見渡しながら言った。


「皆聞いてほしい。既に知ってるものも、いると思うが、約5000年ぶりに魔王の絶対数が減った。しかも2人同時に、妹のスキルでみたところ、魔王順位の変動している者はいない。と言うことは、今回の騒動を起こした可能性があるのは、7位以上の魔王か勇者と言う事になる。皆に問いたい。正直、今回の騒動に、関わっているものはおるか?」


ミュラは1人1人を見渡す。

名乗り出るものはいない。

当然だ。

ここまではわかりきっていた。


「7位以上の魔王と言う事は、其方の自作自演と言う事も考えられるのう?」


そう言うのは、13魔王内序列第9位、堕天魔王、リリス・ヘヴン。

ミュラとリリスは500年前の一件以来、仲が悪い。


「リリス、自分で何を言っているかわかっているのか?」


そう言ったのは13魔王内序列第7位、コルド・シーマちなみに、リリスとコルドは共に第三世代の魔王である。


「あー今日、ミュンちゃんいるんだー。ミュンちゃんこっち向いてー?」


会議そっちのけで、妹に絡み出し、ふざけてるようにしか見えないのは、13魔王内序列第6位、ミグ・ヒピー。

戦闘力だけなら、紛れもなくこの中で最強の魔王。

ミグの態度に、ミュンは困ったように、


「ミグちゃん、今は会議中だから?ね?」


ミュンが強く言えないのは、元々の性格もあるが、自分達第二世代に対しての劣等感が強いのだろう。

ミュンは遅咲きだが、それでも魔王に成れたし、姉としては十分だと思う。

本人は絶対に納得しないが…

話は変わるが、ミグのこんな性格にもかかわらず、ミグのおさめる、ヒピー魔王国は恐ろしい事に完全な独裁国家である。

自分なら、こんな違う意味で恐ろしい国に絶対住みたくない。

まあ、


「王様?いつでも交代するよ?あたしを殺せたらだけどねー?」


なんて言うのもミグぐらいだが…


話が逸れた、とにかくこの収拾がつかない事態をなんとかしなくてはならない。


「毎度、毎度、集まるたびに好き放題やりやがってふざけてるのか?まあ、ミグはいつもふざけてるんだろうが。ミュラ、恐らくこの中に犯人はいない。どいつもこいつもアホだが、黙って野良魔王を殺すようなヤツは、少なくとも7位以上にはいない。13魔王全てならわからんが…」


そう言うのは、魔王内序列第5位、ジオ・デストロイア。


「えージオっち心外だよー、いつだってあたしは真面目だよ?」


このバカはもう放っておこう。

確かにジオの言う通り、7位以上の魔王は、それなりに信用できるし、犯人はこの中にはいないだろう。

となると、残りは上位3魔王か、勇者。

どちらもお手上げだ。

上位3魔王は雲の上の存在で、機嫌を損ねたらまた、神魔大戦の地獄が再来する。

勇者は立場上、そもそも魔王を倒す事を非難できないし、そもそも13魔王は、勇者にとやかく言う権利はない。

例え、勇者だろうと犯人さえわかれば、殺して終わりなのだが犯人がわからない以上それもできない。

つまりお手上げだ。

会議はこれで終わりだ。


「わかった。この中に犯人はいない。妾が断言する。皆も何かわかった事があったら教えて欲しい。会議はこれで終了じゃ。」


こうして13魔王会議は、結局何もわからない事が分かって終わってしまった。

ミュラは妹とミグの3人だけになった会議室でため息をつく。


「ジオっちも残ればいいのにねー?せっかく第二世代みんな揃ってるのにさー」


ミュラは自分のため息の意味を、大きく勘違いしている旧友の発言に、もう一度ため息を吐いた。





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