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第424話アラウザルゴッドの影5


「………いいわよ。教えてあげるわ。ただ聞いたらあなたにも協力してもらうわよ?」


ミラは長い沈黙の後にそう言った。


ミラは思う。

最悪だ。

はじめから読心を使えばこんな事にはならなかったのだ。

これは所詮中級神となめてかかった自分の失態だ。

今から使っても、情報自体は手に入るかも知れないが、ヤケクソになった目の前の男に本当に自爆されてしまうかも知れない。

それ自体は別にいい。

例えソドムとかいうヤツが合わさっても、中級神二体ごときの自爆ダメージなど、オリジンゴッドの自分にとっては雀の涙のようなものだ。

問題はそんな大きな騒ぎを起こせば、目的のアラウザルゴッドに感づかれる。

ラピロア様が見えている勝ち筋が自分にはまだ見出せていない、今の状況でアラウザルゴッドと正面戦争など最低の悪手だ。


「それは約束できねーぜ?どんな話か聞かねーとな?」


ニタニタしながら初代ラグアは言った。


ギリッ…

ミラは歯を噛みしめてから静かに言う。


「………上等よ。協力しなかった時は配下の神格エネルギーに変えてやるわ…」


ミラからは既にオリジンゴッドの圧倒的なオーラが放たれている。


クソっ…

追い込み過ぎたか?

初代ラグアは内心思ったが、言葉には出さずにミラの言葉を待つ。


ミラは言う。


「……私達は私達の主であり、全宇宙の神であるラピロア様からの命令で新たなアラウザルゴッド、状況証拠的にはラグア・エルライドが濃厚だけど…それを倒しにきた。これが私達の目的よ?協力するか否か?あなたの答えは?」


初代ラグアは考える。

二代目ラグアことラグア・エルライドとは、直接会ったことこそないが、龍王星の一件で敵か味方かと言われれば間違いなく敵と断言できる。

問題は勝てるかどうかだが、おそらく無理だ。

だが、目の前の状況を打破するには…


考えた初代ラグアは結論を出す。


「…いいぜ。協力してやる。とりあえず俺様の客として迎えてやるぜ」


初代ラグアは言った。


うまくコイツらの神格エネルギーを奪えれば全盛期の力を取り戻せるかも知れないしな?

なんとか単独行動をとれるチャンスがあれば…

初代ラグアの結論にはそんな考えも含まれていた。


こうして初代ラグアとミラの奇妙な同盟が成立したのは、今から数日前の話だ。

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