第423話アラウザルゴッドの影4
「単刀直入に言うわ。あなたとラグア・エルライドの関係を教えて?」
ミラは初代ラグアに向かって言った。
「ラグア・エルライド?ああ。直接会った事はないが、俺様の名を名乗る野朗の事だろ?知ってるぜ?」
「なるほどね。その口ぶりだと面識はないようね?どうしてそのラグア・エルライドがラグアの名を名乗ってるかについては?」
ミラは言った。
「んなもん知らねーぜ?ただソドムから聞いた話じゃ今はエリローズのヤツはアイツについてるらしいから、たぶんアイツの仕業だろーぜ?」
初代ラグアはわからないといいながらも、ほぼ正解とも言える答えを導き出した。
「そのエリローズについての説明もいいかしら?」
「おい、さっきから聞いてばっかだな?いい加減目的を言え。いくら俺様でも敵かも知れねーヤツにペラペラ情報をただで教えてやるほど優しくはねーぜ?」
初代ラグアはミラを若干据わった目で睨みつけるとそう言った。
そんな初代ラグアにミラは笑いながら答える。
「ふふっ、質問してるのは私よ?まさか力の差がわからないわけでもないでしょうに?」
ミラの言う通り、確かに力の差は歴然だ。
全盛期の自分に匹敵する馬鹿げた力を持つ配下が三体…
おそらくそれを束ねるミラ自身はオリジンゴッドの域に達しているだろう。
だが、初代ラグアはそこで1つの疑問が浮かんだ。
なぜわざわざ自分から情報を聞く必要がある?
そんな事をしなくてもオリジンゴッドなら…というか仮にも一定以上の実力を持った神なら格下相手には読心ぐらいは使えるはずだ。
かつて一度は共に戦ったオリジンゴッド…エリローズがそうであった様に…
もっともそのエリローズは、読心を使った上で最後に自分が裏切るところまでは読めなかったみたいだが…
初代ラグアはそう考えてかまをかける。
「もちろんわかってるぜ?俺様が逆立ちしてもお前らには勝てない事ぐらいな?けどよ、それじゃ面白くねーよな?勝てないなりに悪あがきもできるんだぜ?例えば俺様を復活させたミグってヤツみたいに全神格エネルギーを込めた自爆技とかな?」
「なっ!?嘘よねっ!?そんな事をすればっ!?」
ミラはここにきてはじめて動揺をみせた。
ミラは読心が使えない訳ではない。
あまり得意ではないが、一応は使える。
もちろんそれは自分の配下達も同じだ。
だが、ミラは使うと言う選択肢を選ばなかった。
そしてミラのその選択は最悪の結末をよぎらせた。




