第411話星帝と亜神
二代目ラグア…
最初自分はエリローズ様の加護がついているとはいえ、とるに足らない相手だと判断した。
神に至る事で、当時の自分と同格の中級神に至るまでは問題はなかった。
だが、ヤツはいつの間にか自分の主人であるエリローズ様と同等のオリジンゴッドにまで登り詰めた。
それでもヤツが、エリローズ様と同じ方向を向いているうちはいいと思っていた。
正直あの時の自分を殴り殺したい。
結果はエリローズ様とヤツは対立…
その頃が自分と二代目ラグアが最後に会った時だ。
そして、それから数十年の時が流れた。
その頃のエリローズ様はどうゆう訳か二代目ラグアと和解した様だった。
ヤツはエリローズ様の願いを叶えると約束したらしい。
ヤツの話など到底信用できるものではなかったが、その頃の自分は力が足りなさ過ぎた。
再びエリローズ様のお役に立つ為、自分は旅立った。
それから少しして戻った時には全てが終わっていた。
最高神は倒れ、エリローズ様も二代目ラグアももうアルムスにはいなかった。
だが、エリローズ様は必ず戻ってくる。
自分には確信があった。
オリジンゴッドになるのは並大抵の事ではなかった。
別の惑星の神々も皆強敵だった。
だが、エリローズ様に再びお仕えする日を夢見て今日まで鍛錬を続けてきた。
その結果、ついにオリジンゴッドに至る事に成功した。
残念ながらそれ以上の力を得る方法は未だ見つかっていないが、それでも自分はエリローズ様と同じステージまで辿り着いたのだ。
ようやく…ようやくお役に立てる。
自分はそう思いエリローズ様が再び戻ってくるのをただひたすら待った。
〜現在〜
「よお、テオレーム、久しぶりだな?お前がいない間に色々あって若干名前が変わった。改めて名乗る。俺は星帝ラグア・エルライド・イグロシアルだ。つーか、お前がオリジンゴッドにまで至ったとはな。ちっと驚いたぞ?」
目の前で尊大な態度で二代目ラグアこと、星帝ラグア・エルライド・イグロシアルは言った。
甘かった。
そうとしか言えない。
一体何をすればこうなる?
オリジンゴッドに至った自分とエリローズ様が協力すれば、二代目ラグアを討つ事も可能だと思っていた。
「二代目ラグア殿、その力は一体…」
「力?ああ、神格エネルギーの事かお前がいねー間に色々あってな。今はオリジンゴッドじゃねー。アラウザルゴッドって言うオリジンゴッドの先の存在だ」
化け物…こんなものはもはや神格エネルギーの化け物だ。
無理だ。
絶対に…
こうなればヤツを倒す事は一旦保留だ。
「………なるほど。現在二代目ラグア殿はエリローズ様の目的の為に動いてると聞いている。具体的には何をするのか聞かせてもらってもいいだろうか?」
最低限これだけはコイツの口から言わせなければならない。
テオレームはなるべく二代目ラグアを刺激しない様にそう言った。




