第410話邪神と亜神2
「そうですか。私が来たのは…」
「エリローズ様、その言葉少しお待ち下さいっ!!」
テオレームはそう言ってエリローズの言葉を遮った。
以前のテオレームなら何があってもこんな事はしなかった。
「おや?テオレーム。もしやオリジンゴッドへ…私達と同じ土俵にたった事で少し自惚れているのでは?」
エリローズから僅かだが、殺気が放たれる。
ほんの僅かとはいえ、オリジンゴッドの殺気である。
一般人ならこれだけでショック死する可能性もある。
「エリローズ様、申し訳ございません。失礼を承知で先に俺の話を聞いてくれるとありがたいです」
テオレームは先に謝罪してからそう言った。
エリローズはテオレームの言葉を待つ。
「エリローズ様、今こそ立ち上がる時です。エリローズ様の夢の為、共に二代目ラグアを討ち果たしましょう!!」
「………あなたは一体いつの話をしているのですか?」
エリローズは呆れながらそう言った。
「前に言いましたよね?ラグア様は私の生きてるうちに私の望みを叶えてくれると」
「はっ、しかしヤツの言葉などどこまで信用できるものか…」
「可愛い弟に侮辱は許しませんよ?」
その言葉と共にエリローズから放たれる殺気は先程の比ではない。
「もっ申し訳ありません。しかし…」
エリローズはテオレームに最後まで言わせない。
「そして、今はその為…私の夢である具体的にはこの宇宙の完全な消滅の為に私達は動いています。そして、その前にあなたを連れ戻す様にとラグア様に言われて私はここに来ています」
そのエリローズの言葉に一瞬テオレームは間を空ける。
どうゆう事だ?
二代目ラグアは何が目的なんだ?
この宇宙を消すって事はヤツ自身も…
いや、ヤツは宇宙間を自在に移動できる。
元よりこの宇宙に執着などないのかも知れんが…
「………わかりました。一度俺も二代目ラグア…いえ、二代目ラグア殿とお会いしてもよろしいでしょうか?」
テオレームはラグアに敬称を付け直す。
再び主人の協力者となったのなら、もう呼び捨てなどにはできない。
「まあ、城に戻ればラグア様ならたぶん会うと思いますよ?では帰りましょう。続きはラグア様を交えて話すとしましょう」
エリローズの言葉でテオレームとエリローズは転移する。
あとにはただ荒れ果てた惑星が広がっているだけであった。




