第405話現代宇宙消滅計画6
「じゃー宣戦布告をはじめるよ。エリス頼んだよ?神級スキルを使って、現代アルムスの全ての生物の頭の中に直接つないで?」
「はっ、発動、神級スキル、支配の神」
リーゼのその言葉にエリスは支配の神を発動させる。
今回エリスが使用したのは、神級スキル支配の神だ。
もっともエリスが今回使用するのは、支配の神のほんの一部…
リーゼの声をアルムス全域の生物の頭に届けるだけにとどめる。
もし、普通に使っていれば神級スキルを持たない、全生物は支配の神によりリーゼの降伏勧告に強制支配される。
だが、逆に神級クラスには完全に弾かれてしまい、リーゼの声すら届かない。
それでは意味がない。
だからこそ、エリスは能力をおさえた。
頭に直接声を届ける程度なら、神格エネルギーには干渉しないし弾かれる事はない。
今回のリーゼの宣戦布告は、神級クラス、それ以下の生物両方に届ける必要があった。
支配の神が浸透し、アルムス全域の生物とリーゼが繋がる。
リーゼは脳内に直接語りかける。
『さて、アルムスのみんな。聞こえるかな?はじめましての人達も多いから、一応自己紹介しとくね?リーゼは星帝皇女リーゼ・エルライド・イグロシアル。みんなにわかりやすく言うと星帝…いや、この場合は白い滅亡の方がいいか。ラグア・エルライド・イグロシアルの娘だよ』
リーゼはそこで一度言葉を切る。
アルムス全域がざわつくのがわかる。
『さて、今日みんなの頭の中に直接お邪魔させてもらったのはね、リーゼ達…言うなればパパがこの星…アルムスを滅ぼすって決めたからだよ』
アルムスを滅ぼす…
いやそもそも、この宇宙自体を消す事が今回のラグアの目的だが、リーゼはそこは伏せる。
『でもパパは敵には容赦はしないけど、味方にはとっても優しい。そんなパパの娘としてリーゼも少しだけ優しくなろうかなって思うんだ』
先程のリーゼとミグ達との会話を聞いていれば、アルムスの住人はどの口が言うんだと言いたくなるだろうが、それを知っている者はリーゼの味方以外存在しない。
『提案するよ。と言うか事実上の最後通告だね。アルムスのみんな、さあ選んで?降伏か死か?リーゼ達は今から3日後にアルムス全域に向け、攻撃を開始する。でももちろん降伏してきた人達は、今回の攻撃対象からは外す。リーゼの今回の提案で1人でも多くの人達の心が動いてくれれば、リーゼはとっても嬉しいな』
リーゼは最後にそう言って締めた。
「さあ、あとはアルムス全域の反応を待つだけだよ。エリス、フィームの唯一のまともな仕事って言える、量産型アンデットの斥候を媒体にして、アルムス全域の反応を見といてね?」
「はっ」
リーゼの命令にエリスはそう返事をするのだった。




