第402話現代宇宙消滅計画3
〜現代アルムス、ダミーエルライド王国、ダミーエルライド城、玉座の間〜
「フィーム様っ、本国から直々に攻撃命令が…これに逆らうのはさすがにこれはマズイかと…」
プロトライナーは玉座に座るフィームに跪きながらそう言った。
どうしてこうなった?
私はただ…
ただあの日の惨劇を繰り返さない為に…
フィームは頭を抱える。
「フィーム様、いかがなさい…」
「うるさいっ!!少し考えさせろっ!!」
フィームがプロトライナーを怒鳴りつけた時だ。
いきなり、玉座の間の扉が乱暴に開き、中からぞろぞろと5人の男女が入ってくる。
「敵襲か?貴様らは…」
「黙れっ!!プロトライナー口を謹めっ!!」
フィームはプロトライナーを怒鳴りつけた。
余談だが、幹部以外のプロトクローンはイグロシアル上層部の顔をほとんど知らない。
まあ、このメンバーの中でもエリスはプロトクローンとして使われる事も多いので、少し考えればわかる事なのだが…
「あっあなた様は…」
「フィーム。そこのバカも大概だけどお前もクビだよ。さすがにフィアナみたいなのが生まれるのは稀だけど、さすがにお前はひどすぎだよ。ここからリーゼが…星帝皇女リーゼ・エルライド・イグロシアルが引き継ぐ」
リーゼはフィームに向かってそう言った。
〜
「「申し訳ございません…申し訳ございません…申し訳ございません…申し訳ございません………」」
玉座の間に呪文の様な謝罪が響く。
その正体は土下座状態のプロトライナーとフィームだ。
プロトライナーは最初の無礼極まりない発言について…フィームはこの命令無視と言われても文句を言えないこの状況に対し…
本来なら2人とめこの場で処刑されても全く不思議ではない。
そんな2人の謝罪を無視して、玉座に座るリーゼは言う。
「ねえミグ。そー言えばウリンに頼んでたキングダムギフトの変換ってどうなったのかな?」
「あれ?リーゼちゃん知らなかったっけ?まだ変換効率は悪いけど、一応成功したよ。もしリーゼちゃんが死んでも大丈夫だよ」
「なるほど。パパが護衛つきとは言え、アルムスにリーゼが降りる事を許可したのは、そーゆー事かー。そー言えばゴッドバーストは使えたりする?」
「ん?あの凄い技?使えるよ。まあ師匠はもったいないから極力使うなって言ってたけどね」
「じゃーリーゼはそのつもりで作戦を組んどくね」
「うん、大丈夫だよー。てかリーゼちゃん。任務もいいけどせっかくだし遊びにいかない?」
「うーん、いいけど…それやっちゃうと、そこの頭が地面にくっついてるバカと、いっしょになっちゃう気がするかな?たぶんあとでパパにとんでもなく怒られそうだし…」
「………そうだね。リーゼちゃん今度遊びにいこーね?」
玉座に座るリーゼと、どこから持ってきたのかわからない適当な椅子に行儀悪く座っているミグが、そんないろいろととんでもない会話をしているが、それを取り囲む状況はかなりシュールである。
土下座してひたすら謝り続けるフィームとプロトライナー…
リーゼを守るように後ろに控えるエリス。
そしてそんなリーゼの前に跪く2人の男女…
そして全く関係のない事だが、リーゼと古代ミグの仲は良かった。




