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第392話宇宙消滅


神格ビッグバンを発動直前にして、切り離したのはもちろん、俺が神格エネルギーを失わない為だ。

エリローズの消滅の概念は、概念融合でもしない限り、オリジンゴッド…ましてやアラウザルゴッドには通用しない。

だが、宇宙の消滅など俺もはじめての体験だ。

何があるかわからない以上、用心に越した事はないだろう。


エリローズは言う。


「なるほど、これが不滅の概念の使い方ですか。もはや仕方ありません。これでも感謝はしているのですよ?あなたがいなければ完全ではないとは言え、私の夢が成しえる事はなかったのですから」


エリローズのその言葉に俺は答える。


「気にするな。俺は既に対価の一つをもらってるもう一つの対価もこれが終われば貰うだけだ」


そのやりとりを最後にエリローズは集中をはじめる。

領域展開を最大で使用する様だ。


「発動、領域展開、概念消滅。対象、宇宙全域…領域展開が広がり切るまでの所用時間、72時間…」


その瞬間エリローズの体から消滅の概念が溢れ出す。




エリローズが領域展開を最大で発動させてから5分後…

もはや見える範囲は全てエリローズの消滅の概念に埋め尽くされている。


「なあ、暇…」


「話しかけないでください。気が散ります!!」


うん、なんか怒られた。

集中してる時に邪魔されると腹立つのはわかるけどよ?

あ、そう言えば前にエリローズが言ってたな。

宇宙消滅までの72時間は完全に戦力外になるって。

あれはつまりこうゆう事か。

俺は思った。


『おい、エリローズ。暇だ。相手しろ』


『はい。私ならいつでも』


俺は諦めてもう1人の俺の中にいるエリローズをこの3日間の暇つぶしに選ぶのだった。




『おい、エリローズ。あれ殺していいか?』


『いや、ラグア様。それ私の器じゃなかったんですか?』


この時代のエリローズが領域展開を最大で発動させてから2日と少しが経過していた。


『いやさ、最近殺してないからフラストレーションがさ?』


『あれ?確か1ヶ月は人殺しをしなくても精神がもつのでは?確か初期設定では』


『初期設定とか言うなっ!!つーか、最近殺しに対して特に我慢してなかったから反動がね?』


『なるほど。でもラグア様が殺したいと思うならいいんじゃないですか?大好きなラグア様の為に消えるなら私は本望ですよ?』


『………やめだ。待つぞ』


俺と頭の中のエリローズがそんなやりとりをしているうちについに72時間が経過するのであった。

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