第387話前人未到2
やべーわ。
うちのエリスがチートになっちまった…
俺は思った。
これがどうゆう事かと言うと、つまり神のステータスを引き上げられるって事だ。
ステータスには無限表示しかされないが、下級神や上級神にも…
もっと言うなら、オリジンゴッドやアラウザルゴッドにもステータスは存在する。
そしてそれはその神の神格エネルギーに依存する。
エリスの新しい神級スキル、神武の神は要は下駄を履いた状態になるって言えばわかりやすいだろう。
エリスのもってる神格エネルギーは変わらない。
だが、神武の神で神格エネルギーを自動制御する事によりステータスは跳ね上がり、本来のステータスでは不可能な動き、反応速度、攻撃を可能にする。
このスキルの恐ろしいところは反応速度があがる事により、耐久すらいじれるところだ。
例えば普通の人間でも、腹にパンチがくるとわかっていれば腹に力を入れるだろう。
この場合俺達は腹に神格エネルギーを集中させる。
要は相手が攻撃に回した神格エネルギー以上で弾き返せばダメージを受ける事はないからだ。
エリスの場合、そのパンチが腹にくるとエリスが思った瞬間、神武の神が自動で神格エネルギーを込めてくれる。
うん。
マジでチートだわ。
さすがにエリスがオリジンゴッドになったとしても、俺と戦えば俺が圧勝するが、下手すりゃ近接戦闘に限るならエリローズあたりとは、かなりいい勝負だと思う。
俺がそんな事を考えていた時だ。
「師匠ー。暇だよー。エリスあとどのぐらいかかる?」
ミグは欠伸をしながら言った。
「あ?もう少しだ。なんならとりあえず一旦戻るか?今すぐに宇宙が消えてなくなる訳じゃねーしな?発動、森羅万象」
俺はそう言いながら、森羅万象からイグロシアルを出す。
「じゃーあたしは一旦戻ろうかな?師匠はどうするの?」
ミグは言った。
「俺は一回このままエリスがオリジンゴッドになるのを見届けたらエリローズと古代アルムスに降りる。まあその後一旦、イグロシアルに戻って何人か迎えに行くがな?」
今回アルムスに降りるメンバーは俺とエリローズ、さらにミグとエリス…
そして…
理由はよくわからないが、フィアナ達に褒美を与えた後リーゼが宇宙消滅の最終段階に立ち合いって言ってたんだよな…
そしてその時の俺は、少し考えてからリーゼの参加を認めた。
まあ、後は宇宙を消してエリローズの器をいただくだけだ。
今更リーゼの立ち合ったところでどうこうなりはしない。
それにいくらリーゼでも今回は目的が決まっている。
エリローズの器とついでにこの宇宙の消滅…
大まかな計画は決まっている以上、今更リーゼが割り込んだところでどうこうなるわけでもない。
俺はそう判断したのだ。
だが、俺はこの時失念していた。
リリスにアルムスに不可侵地帯を作ると約束した事を…
それが最終段階にどう関わってくるのかを、俺は気づいていなかった。




