第379話星帝VS神王3
「なっ何故だ?儂らが争う理由などないはずだっ!!」
ジジイはここに来てはじめて動揺した口ぶりで言った。
「本当にふざけたクソアマだが、なんだかんだアイツには世話になった。俺はアイツと約束した。てめえは必ず俺がぶっ殺すってな?この時代のアイツを見てよくわかった。いつだってアイツはアイツだ。ならば俺のすべき事は1つだろ?」
俺はジジイの方を見るが、ジジイは全くわかってない様子だ。
「アイツの願いを叶えた上で俺の手で…正確には今回は俺の中のクソアマの器に使うが…引導を渡す。それが俺のアイツに対する敬意で義理だ。そこにてめえの横やりなんかいらねーんだよっ!!」
俺はそう言い放つと同時にジジイに襲いかかる。
もちろん千手観音モードは強制解除されているので、素手でだ。
「よかろう。ならばその答えを出した事を後悔…なっ!?」
最高神のジジイが最後まで言うより先に俺の回し蹴りがジジイの顎を掠める。
顎を打ち抜くつもりだったが、さすが全盛期のジジイというべきか。
回避行動が俺の予想より早かった。
まあ、問題ないがな?
俺は回し蹴りの足が着地すると同時に、返す刀で後ろ蹴りをかます。
今度は躱しようがない。
俺の蹴りはジジイの腹にヒットする。
「ぐっ…なぜっ!?」
ジジイが何かを言おうとしたが、俺の攻撃は終わらない。
たたらを踏んだジジイを掴んで投げ飛ばす。
受け身もとれないジジイは後頭部を思いきり打ち付ける。
突然の事と脳震盪でジジイの動きは一瞬止まるが、俺はそのまま絞め技に移行する。
今回は関節技なんていう、直接致命傷にならない技を選んだりしない。
首の骨を折るのもなしだ。
気道と頸動脈を同時に絞め上げて、解除すらできないまま殺しきる。
〜
絞め技が決まって1秒…
ジジイの目が虚ろになる。
更に5秒…
ジジイが泡を吹き出す。
意識がとんだ様だ。
〜
勝った。
あとはこのまま絞め続ければ終わりだ。
確か窒息死にかかる時間は5分だったか?
俺は単純に絞め続けるのがめんどくせーから、絞殺はほとんどした事がないからうろ覚えだが、確かそんぐらいだったはずだ。
前世だとそもそも、素手で殺るのは最後の手段だった。
誰が好き好んで素手で命のやりとりをする必要がある?
そんな事をするぐらいなら、ナイフ1本使う方がよっぽどいいし、得意ではないが拳銃の方がまだマシだ。
この世界では戦闘が多いから勘違いしてる人もいるかも知れないが、俺は別に戦闘狂じゃない。
戦闘狂でもないのに、そんな事をするのはただのアホだ。
ただ万が一の保険の自衛の手段として、格闘技術が使えるだけだ。
もちろん、紛争地帯で本当の死線をくぐり抜けてきた一流の軍人なんかは、俺より殺人技術は上だろう。
話がそれたな。
「まあ、多めにたっぷり10分絞め上げてやるよ。その後で念のために首と胴体をねじ切って切り離しとくか」
俺はそんな事を考えながら呟くのだった。




