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第375話神王の軍勢2


「さて、ラグア様はクソガキと戦っているようですし、私は私で自由に遊び…」


エリローズがそう言いながら遊撃を開始しようとした時だ。

エリローズの頭に突然声が聞こえる。


『ざけんなクソアマぁぁぁ!!一体誰のせいでこうなったと思ってんだ?下級神は通してもいい。中級神と上級神をエリス達に近づけるなっ!!』


『………ふふふっ、相変わらず規格外ですね。私に勝手に神通をつけるなど…わかりました。見たところお二人共中級神クラスの様ですが、これだけの数の軍勢…すぐに下級魔神クラスになるかと思いますが、それまででいいですね?』


『ああ、下級魔神まで行けば上級神クラスは油断しなきゃ十分勝てるはずだ』


ラグアはエリローズにそう一方的に指示すると神通を切った。




ラグアと最高神が戦闘を開始した頃…


「ミグ様、失礼ですがあまりお時間が…」


エリスが言い終わらないうちに、ミグは初代ラグアの神格エネルギーを削りながら答える。


「ミグでいいよ。それから敬語もいらない。あんたは師匠の配下かも知れないけど、あたしの配下って訳じゃないし。それにあたしはあんたの事は認めてる。人間から神に至った存在なんて未だかつて聞いた事がないしね?」


古代アルムスでは、人間から最初に神に至ったロロ・ベアトリクスは未だ帝級クラス…

ましてや生まれながらの神以外の生物から神に至った存在でさえ、初代ラグアをおいて他にはいない。

自分自身も今は神級クラスだが、それでもミグがエリスを認めるのも当然の事だった。


「………わかった。ミグ、後どれぐらいかかる?私1人でも下級神程度なら問題ないが、中級神や…ましてや上級神相手ではそう長くはもたん」


エリスのその言葉を聞き、ミグは満足そうに頷くと言う。


「うんうん、それがエリスの素の話し方なんだね。あたしはそっちの方が好きだよ。でもこうしてる間にもあたしの神格エネルギーは増え続けてるし、何より師匠の領域展開とかいう規格外の技で今のところ敵は入ってこない。ある程度の時間があれば上級神ぐらい…」


ミグがそう言いかけた時だ。

突然ラグアの領域展開が破られる。


「………どうやらあまり時間がないようだ。ミグ、退がっていろ。ラグア様の命令を遂行する」


破れた領域展開の後からわらわらと入ってくる、神々を睨みつけながらエリスは言ったのだった。

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