第374話神王の軍勢
俺がエリローズに向かってそう言った直後、ジジイの軍勢は一斉に攻撃を開始する。
対する俺はエリローズと融合時に得た消滅の概念を発動させる。
「領域展開、概念、消滅」
「あのー、それ私の技ですよ?」
今回の元凶がそんな事を言ったが無視だ。
俺はエリローズと融合した事により、ついに領域展開が使える様になっていた。
もっともジジイと本格的に交戦しだしたら、こんなのを出してる余裕はおそらくなくなる。
その為にエリスをミグの護衛につかせている。
ミグが初代ラグアに攻撃を開始する。
いくら無抵抗とはいえ、中級神クラスが中級魔神クラスの神格エネルギーを全て削り切るにはそれなりの時間はかかる。
その時だ。
「さて?何事か?エリローズ…そして正体不明のオリジンゴッド…何者かわからぬが、さすがに放っておくわけにはいかぬわ」
現れたのはもちろん見知った顔…
最高神のジジイだ。
「出たなクソジジイ。死ねっ!!」
先手必勝。
油断は死だ。
俺は神格エネルギーを込めた全力の触手の一撃を見舞う。
ジジイと俺の神格エネルギーの総量は現在では俺の方が上だ。
油断しきってるジジイにはかわせるはずはない。
まあ、ジジイがいなくてもこれだけ雑兵の神級がいれば、ミグは十分オリジンゴッドになれるだろう。
よってジジイはいらん。
ジジイは数少ない俺が負ける可能性のある相手だ。
危険分子は排除…
それが俺の結論だ。
「なっ!?」
俺の触手がジジイに迫る。
回避行動をとっても間に合わない。
だが…
「はあっはあっ、貴様、何者だぁぁ?」
ジジイは息こそ切らしてるが無傷である。
その理由は…
「くくっ、天下の最高神サマが味方の上級神を盾にして俺の触手の軌道を逸らすか。俺はその行為自体は文句言える程、真っ当な生き方をしちゃいねーが、一言だけ言わせろ。ミグの時もそうだったが、お前追い詰められるとちょくちょくプライド捨てるよな?」
ジジイは俺の触手の一撃を手近にいた上級神を盾にし、軌道を逸らす事で躱しきる事に成功していた。
別に俺もクソ野郎だから、驚きはしねーが仮にもコイツ最高神だからな?
これで大丈夫なのか?
この宇宙は。
「黙れっ!!何者だか知らぬが、儂を誰だと思っているか!!」
その瞬間、俺の領域展開が破られる。
まあ、ここは仕方ねー。
神格エネルギーの総量は俺の方が上だが、概念の練度に関しちゃジジイの方が遥かに上だ。
「あ?知ってるよ。俺の為に楽しい宇宙(遊び場)を作ってくださった、偉大なクソジジイサマだろ?」
俺は完全になめた態度でジジイにそう言ったのだった。




