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第369話功労者5


さて、続いて他の連中の褒美だな。

一番の働きをしたフィアナの件は済んだし、あとは名を与えて幹部にでも…

俺がそんな事を考えていた時だ。


「あの…ラグア様、同盟の件は…」


そう言ったのはリリス・ヘヴンだ。


うん、完全にコイツ忘れてたわ。

確かそんな約束したような気もする。

うろ覚えだけど…

そして問題もある。

それは…


「あー、同盟だがな。わりー、それさっきなくなったわ」


「え?あの…」


リリスは状況が理解できてないようだ。


「勘違いするなよ?別にお前と同盟を組む話がなくなった訳じゃねー。同盟って言う制度自体が昨日消滅しただけだ」


主にコイツのせいでと言う言葉を俺は飲み込み、リーゼを軽く睨みつける。


「つーわけでどうする?単純に俺の庇護下に入るなら別にいいが…」


リリスを星王にするのは流石にな…

褒美はやったが、フィアナを本国の幹部止まりで抑えた以上、リリスを実質俺の次の権力者である星王にするのは色々とおかしい。


「おい、リーゼ」


自分のケツは自分で拭け。

短い言葉にそういった意味を込めて俺は言った。


リーゼは俺の言葉に笑みを浮かべるとリリスに向かって言う。


「リリス、簡潔に説明するね。リリス達がいない間にこの国は…いや、この星はパパを頂点にした惑星国家イグロシアルになった。惑星国家イグロシアルはパパ…つまり、星帝ラグア・エルライド・イグロシアルを頂点としてその下に、リーゼを含めた皇族が2人…更にその下に、今まで同盟とか特別王族とか言われていた人達8人が星王として君臨する。確かにパパは今回の事が上手くいったらリリスと同盟を結ぶって言った。パパは味方には嘘はつかないからリーゼとしてはリリスを星王にしてもいいと思ってるよ」


おい、コイツマジか。

俺が怒鳴りつけようとするが、リーゼは目で俺に大丈夫だという風に伝える。


「でっでは私は…」


案の定リリスは星王になる気が満々な様だが、リーゼは最後まで聞かずに続ける。


「でもリリスにその覚悟はあるのかな?同盟と星王は権限はそう変わらないけど、その形態はまるで違う。リリス、お前はリーゼの命令で死ねる?要はそうゆう事だよ」


リーゼは邪悪な笑みを浮かべて言った。

対するリリスは対照的に真っ青を通り越し、蒼白になっていた。

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