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閑話とある国王のお話


余はジョージ・エルライド。

現、エルライド王国、国王である。

先日、我が娘アリエルが謀反を企だてて、王都に大軍を引き連れて行軍しているとの報が、部下より入った。

正直、意味がわからなかった。

我が娘アリエルも、それを擁立しているドール伯爵、ダレクス・ドールもそんな馬鹿な事をするヤツではない。

だから、部下からの報が届いた時には、耳を疑った。

三年前、新しくダレクスの部下になったものが、我が息子、ファルムスを殺したと言う報を聞いて、正直心を痛めた。

だが、自分自身も次男で、兄妹達と殺し合って、今の玉座に座っている。

王族に生まれた以上、政戦で命を落とすのは、仕方がない事だとも言える。

だが、今回のこれは、さすがに…


既に王都警備は、100万の精鋭達で固めた。

万に1つも、アリエルに勝ち目はない。

アリエルもダレクスも、そんな事も分からぬ程の馬鹿ではなかったはずだが。

余はそんな事を思う。

その時、いきなり扉が開き伝令が飛び込んでくる。


「貴様っ‼︎無礼だぞっ‼︎ここをどこだと思っている。」


側近の一人が声を荒げるが、次の伝令の報告で、そんな事はどうでもよくなった。


「陛下っ‼︎ご報告申し上げます。我々の軍は、アリエルの軍と交戦しました。ですが、上空に現れた魔術士と思われる少年に巨大な隕石の雨を降らされ、100万いた我が軍は壊滅。生き残りは5000もいないと思われます。」


余は、今の伝令の言葉が信じられずに口をあんぐり開けたまま固まった。

側からみれば、それはそれは滑稽に写っているだろう。


「そっそれは、真実か?」


余はそう言うので、精一杯だった。


「あっあれは、人間ではございません。まっ魔王です。」


つい先程まで、アリエルが何故血迷ったのかなどと考えていたが、これで説明がつく。

魔王に脅されての行動だった。

その時、部屋の扉が再び開いた。

入ってきたのは真っ白な髪に真っ赤な目をした美少年?少女?とアリエル、ダレクスの3人と、青髪の女と茶髪の青年が真っ白な髪の少年?少女?を守るように固めている。


「はじめまして。元王様、俺は魔王ラグア。今回の騒動の首謀者だ。お前は今すぐ声明を発表しアリエルを王座に据えろ。拒否権はない。拒否するなら王族皆殺しにしてからアリエルが王になるだけの話だ。」


真っ白な髪の人物、魔王ラグアは鷹揚に言った。

そこには、王に対する敬意など、微塵も感じられない。

今日は余にとって人生最悪の日になるのは、もう間違いないだろう。

この国はもう終わりだ。

余はそんな事を他人事のように思う。





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