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第363話神々の盟約


「ああ、俺も少し話がある。まあ立ち話もあれだな」


俺はそう言いながら土星帝を発動させ、椅子を2人分作り出す。

ちなみに既にダミーエルライド王国は初代ラグアと俺の分体の激突の余波で跡形もない。

まあ普通に考えて無事なわけがないが、このままじゃクレーターの中で立ち話になっちまうしな?


「ふふっ、お気遣いありがとうございます。では遠慮なく」


エリローズはそう言うと俺が作った椅子に腰掛ける。


「さて、何から話すか?とりあえず何か聞きたい事でもあるか?」


「山ほどありますね。まずあなたは何者ですか?それにその姿…おそらく私の因子を色濃く受けていますね?」


俺が口火を切るとエリローズがそう言った。


「俺か?俺はラグア・エルライド・イグロシアル。なあ、エリローズ。俺が未来から来たって言ったら信じるか?」


俺の言葉にエリローズは一瞬考えるそぶりを見せる。

おそらく高速で思考しているのだろう。


「………いいでしょう。信じましょう。そして私の予想が正しければ私はおそらく負けるのですね?」


エリローズは言った。


未来から来たという、俺という存在…

そんな存在を作り出した事の意味…

それはどうゆう事なのか?

最高神との決戦で敗北…

それがエリローズが導き出した答えだった。


「俺はその頃にはまだいないが、正確には痛みわけらしいぞ?お前もあのクソガキも神格エネルギーの大半を失ったらしいな」


「なるほど。おそらくクソガキに気づかれましたか」


「いや、計画は漏れてなかったみたいだぞ?あのジジイは瀕死にまで追い詰められるまで気づいてなかったらしい。計画の失敗は上級魔神にまで進化したそいつの裏切りだとよ?」


俺は顎で固まっている初代ラグアを指し示す。

ちなみに今の話は俺と融合したエリローズの言った事を代弁しただけだ。


「ふふふっ、ゴミが最後の最後でやってくれましたか。その後はどうなりました?」


エリローズは俺に続きを促した。


「力の大半を失ったジジイは創造神もろとも生物に干渉できない制約をかけて封印。そしてそれから約1000万年後にお前が選んだのが俺だよ」


「ふふふっ、確かにあなたは私が好きそうなタイプですね。それで今度こそクソガキには勝てましたか?」


「ああ、クソジジイとは2回殺り合って1度目は引き分け。2度目はまあ…相討ちになるんだろうな」


「そうですか。目的達成の前に散ってしまうとは…つまりあなたは私にその事を伝えに来てくれたと?」


そのエリローズの言葉に俺は笑みを浮かべる。


「俺が来た理由?俺はお前の望みを叶えてやる為に来た」


俺の言葉でエリローズは再び目を見開くのだった。

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