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第352話ダミーエルライド王国防衛戦14


〜ダミーエルライド王国〜


第4防衛ラインがあった方向から破壊が撒き散らされる…

既に過去形なのは第4防衛ラインはもはや存在しないからだ。


100億いた量産型アンデットは第2防衛ラインを残して全滅…

プロトクローンもダミーエルライド王国内にいるのは僅か8体…

そんな中プロトフィローラ達は走る。


「進め。もうすぐ国境だ。その後はほとぼりが冷めるまで身を隠すぞ」


プロトフィローラは言った。

その時だ。


「「!?っ」」


唐突に感じる追手の気配…

しかもその気配は自分達プロトクローンの力を遥かに凌ぐ…


「クソっ…。本当にどこまでも腐った女だな。味方をなんだと思っている?それとも帝級アンデットをそんな事に回すほど戦力が余っていると言うのか?ふざけている…」


プロトフィローラはそう吐き捨てた。

厳密に言えばフィアナにとってプロトフィローラ達は既に味方ではないが、プロトフィローラにそんな事は関係なかった。




フィアナは一見暴政をしいているだけに見えるが、その実、ラグアに対する忠誠心だけは今回のプロトクローンの中でも随一だった。

フィアナにはわかっていた。

たしかに理想は全ての作戦を被害無しで成功させる事だ。

なら失敗とは何か?

自らの死?

敵軍にまともな被害すら出せずにプロトクローンの全滅とダミーエルライド王国の陥落?

確かにどれも失敗だ。

しかし、最悪ではない。


最悪はダミーエルライド王国を陥落させた上で、自分の暴政に不満をもったプロトクローン達を生き残らせてしまう事だ。

確かにプロトクローンでは主であり、自らの神であるラグアを害する事などできはしない。

だが、現体制にヒビが入る可能性は十分にある。

主から今回の作戦の全権を預かっている自分に不満を持つようなヤツらは、ラグアにすら不満を持つ可能性は高かった。

そしてそれは伝染する。

ならばその汚れ役は自らがかってでよう。

それが今回フィアナが帝級アンデットを放つまでに至った経緯だった。


もっともその事をプロトフィローラが知る事は一生ないのだが…




プロトクローン達に帝級アンデットが追いつく。

当然だ。

素のステータスが違いすぎる。


「グオオオオオオオオオオ」


帝級アンデットがおたけびをあげながら迫ってくる。


「来たぞっ!!プロトシーラっ!!足止めしろっ!!」


「は?なんでウチが?フィアナには不満はあるけどあんたに従うつもりなんかないよ?」


所詮寄せ集め…

敵前逃亡のプロトクローン達はまるで統制などとれていなかった。


「ぐあああああっ!!」


帝級アンデットはそんなやりとりを無視して、無情にもプロトクローンを一体引き裂く。

最初の犠牲者はプロトフィリムだった。


その時だ。


「なんだ?俺様達を放置して仲間割れか?ずいぶんとなめられてるじゃねーかよ」


「ラグア、落城寸前の敵はこうゆうものですよ。まあ、何をしても結果は変わりませんが」


プロトフィローラ達にはさらなる絶望が迫るのだった。


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