第345話ダミーエルライド王国防衛戦7
〜ダミーエルライド王国、エリローズの私室〜
『フィアナ様ー。というわけで、すいません失敗しましたー。迎えに来て下さーい』
プロトセリーの魔道王の通信を介してナメた敬語の通信がプロトノーマンから入ってくる。
フィアナは答える。
『わかった今から迎えに行くよ。交渉に2時間で初代ラグアとエリローズの関係にヒビを入れたならまあ、上出来かな?』
簡単な概要をプロトノーマンから聞いたフィアナは言った。
ちなみにその後に投入した5億のアンデットは指揮官不在の烏合の集と化し、僅か5分でロロ・ベアトリクス1人により全滅させられた。
ここまでは予定通り…
いや、交渉に2時間もかけられたからむしろ順調と言っていいだろう。
「プロトリル、第2防衛ラインに指示を飛ばして限界まで足止めして。プロトセリーはここからプロトリルの指示を第2防衛ラインに飛ばして」
「「はっ」」
フィアナはそうプロトリル達に指示を出すとプロトノーマンとプロトアレスを迎えに行くべく長距離転移を発動させるのだった。
〜ダミーエルライド王国近郊、第2防衛ライン〜
「どうやら第1防衛ラインが抜かれたようですね。ここからはワタシ達の出番のようですね」
プロトエミリーが言った。
「フィアナ様からはプロトリルの指示で時間を稼げと命令だ。予定通りいくぞ?」
プロトサウロスも答える。
第2防衛ラインの量産型アンデットは第1防衛とは数が違う。
その数なんと80億…
それだけの数がなんの為に集められたのか…
「それではアンデットの皆さんはそれぞれ1000万ずつの小隊に分かれ、三方向から波状攻撃を仕掛けて下さい。タイミングはそれぞれ30秒はズラして下さい。読まれない為に何回かに一回はタイミングを変えますからそのつもりで。それでは突撃しで下さい」
プロトエミリーはプロトリルの指示通りアンデット達に命令を下すのだった。
〜
〜初代ラグア陣営〜
初代ラグア陣営は第1防衛ラインを突破し、第2防衛ラインでの戦闘を開始しようとしていた。
「壮観だぜ。ロロお前ならあの数は作れるか?」
初代ラグアはこちらの軍勢より更に多いアンデットの軍勢を見ながら言った。
「可能ですがあの数を作ると質が悪すぎて実用性が皆無かと…。敵は一体なんの為に…。ですが今回はまともな指揮官がいるようですね。敵軍の動きに規則性が見られます」
「ああ、確かにさっきの5億はひどかったな…。まさか自軍にあんなめちゃくちゃな指示を出して、撤退する指揮官がいるとは思わなかったぜ…」
プロトノーマンは初代ラグアとの交渉のあと…
「それじゃ、僕達はこれで撤退するしあとは適当に攻撃しといてねー」
と言い残し本当に撤退してしまった。
そしてそんな適当な指示ではまともに軍が機能するわけもなくこちらの被害は皆無のまま、ロロ1人での残滅に成功していた。
その時だ。
いよいよ敵軍が動き出したのは…
フィアナとか言った敵の幹部から聞きたい事は山ほどある。
今回の事でエリローズを完全に信用しきってはマズイということも学んだ。
初代ラグアはそんな事を考えながら味方に命令を飛ばすのだった。




