第341話ダミーエルライド王国防衛戦3
「ロロ…。確かお前は死霊帝とか言う帝級スキルを持ってたよな?あれも死霊帝か?」
初代ラグアは言った。
「はいおそらく…。帝級スキルをあの様な使い方をするなど聞いた事がありませんが…。完全にこちらをなめているとしか…」
ロロの言葉を聞いて初代ラグアとエリローズが笑い出すのはほぼ同時だった。
「俺様がなめられるか。おもしれーな。上等だぜ」
「私達にそんなものが通用するとでも思っているのですかね?ラグア。今回は久しぶりに楽しめそうですね?」
初代ラグアとエリローズがそんなやりとりをしていた時だ。
突如敵のアンデット達の軍が2つに割れ、中から2人の男が歩いてくる。
彼らの右手はこれ見よがしに白旗を振っている。
「やっほー。交渉に来たよー」
アンデット達の間から現れた男…
プロトノーマンは完全にふざけた調子で言った。
〜
〜ダミーエルライド王国、エリローズの私室〜
ダミーエルライド王国はラグアのスキルによりエルライド王国をほぼ完全な形で再現していた。
従ってエリローズの私室の豪華絢爛な造りも完全に再現されている。
もっともそこにはエリローズの姿はなく、この場所にいるのは4人の女…
フィアナ、リリス、プロトセリー、プロトリルだ。
現在、この部屋は司令室として使われていた。
「敵軍は第1防衛ラインに入ったみたいだね。じゃーリリス、予定通りいくよ?」
フィアナは確認の意を込めてリリスに言った。
「わかった。だがフィアナ、本当にあんなバカ共に任せて大丈夫なのか?」
それに対してリリスも聞き返す。
「大丈夫だよ。あんなの当たればラッキーぐらいの作戦だし、私とリリスで考えた作戦は完璧だよ。どの防衛ラインもそう簡単に突破なんかできないよ。時間稼ぎだったり、確実に敵戦力を削ぐ様に作ってある」
「まあ確かにそうだが、相手は中級魔神クラスとオリジンゴッド…。私にはそう簡単にいくとは思えないがの?」
「ふふっ、リリスは心配しすぎだよ。ラグア様の命令は敵戦力に打撃を与える事…。何も中級魔神やオリジンゴッドを倒せって言われているわけじゃない。もし、この城まで辿りつくのが初代ラグアとエリローズだけ…いや、三元魔が1人でもかけてた時点で私達の勝ちだよ。目的は果たされる」
フィアナはニヤリと笑いながら言った。
「で?その私達の完璧な作戦に必要不可欠なもの…そのうちラグア様から好きに使っていいと言われたラグア様の分体は配置した。残るもう一つ…セリー様の帝級アンデットはどうなった?」
「うーん…それなんだけどさ…」
フィアナはリリスの質問に対して言葉を濁すのだった。




